第21話 おはよう

「……くん、れんくん、廉くん」

俺が心地よく眠っていると何者かに起こされた。

眠りはいつもより質が良かったのか疲れがすっかり取れている。

「廉くん、おはよう」

「え、あ!」

俺は芹奈が家に来てなんやかんやあって布団で寝てしまったことを思い出す。

「おはよう、芹奈」

「とりあえず、起き上がらないか?」

「もうちょっとだけ、ダメ?」

俺は芹奈の上目遣いとお願いに負けてもう少しこのままでいることになった。

「ありがと」

寝起きで恥ずかしさがあまり無かったが、だんだん目が覚めてきて恥ずかしさが込み上げてきた。

「廉くんすごくドキドキしてるね」

「可愛い彼女に抱きつかれてるからな」

「むぅ、もっと慌てふためくと思ったのに〜」

「今日の芹奈は甘えたがりだな」

「どっちらかと言われればこっちが素なのかも?」

「それは、随分と可愛らしい素だね」

「ありがと!」

恥ずかしいけど、離れるには少しもったいない気分になってしまい、離れるタイミングを完全に見失ってしまった。

「あと10分だけ……それで1回起きよ?」

「そうだな、そうしよう」

俺はその10分という時間をもっと充実したものにするため、芹奈を抱く力を少しだけ強める。

すると芹奈も抱き締め返してくれた。

無言だけどお互いがコミュニケーションを取れているような気分になる。


「もう時間かぁ」

「早かったな……」

俺たちが抱きしめあっていた時間は直ぐに終わってしまい、起きる時間になった。

「じゃあ起きよっか」

「そうだな」

俺たちが体を起こし、ベットに並んで腰をかける。

「廉くん、ありがとね、寂しかったのが嘘みたいだよ」

「こちらこそありがとう」

俺たちはそれから時間が許す限り遊び尽くした。

会えなかった時間を取り戻すかのように

会えなかった時の話をしたり、ゲームをしたり、ちょっとイチャイチャしたり。

そんなことをしているとあっという間に時間は過ぎるもので、もう少しで帰ろうという話をしていた時

ピロン♪

「メッセージだ」

「私にも来た、美咲からだね」

「俺は悠真からだ」

そこには悠真が告白したこと、それが成功したことが書かれていて。

同時に送られてきた写真には仲睦まじい2人が写っていた。

「付き合えたみたいだねあの二人」

「そうだな、良かったよ」

「ふふ、帰り際にいいニュースも聞けたし私はそろそろ帰ろうかな」

「送っていくよ」

「ほんと?ありがと、嬉しいな」

俺は芹奈を家に送り届けた帰り道今日のことを振り返っていた。

今日はいい事づくめの1日だったな。

芹奈ともたくさん遊べたし、悠真は告白に成功した。

芹奈の可愛い1面も見れたし幸せな1日だった。

もっとこんな日常が続きますように……


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