第12話 2人っきりの勉強会

「よし!」

今日は谷川さんと2人で勉強会なのだ、昨日選んでもらった服を着て髪を整え出発する。

谷川さんに言われた駅に少し早めに着くように電車に乗って向かう。

駅に着いて待ち合わせの場所に向かうと、もう谷川さんが待っていた。

「おはよう、島崎くん」

「あはよう、待たせちゃったかな?」

「ちょっと早く来ちゃっただけだから大丈夫だよ、行こっか」

谷川さんも楽しみにしてくれていたのだろうかそうだったらいいな。

「ふふ、楽しみにしてたよ?それでだ、島崎くん何か私を見て言うことはないかね」

すっごく可愛いです。

「その服似合ってるよ」

「うむ、満足じゃ」

どうやらお気に召したようだ。

「今日は夏休みの課題をやるんだよね英語教えた方がいいかな?」

「頼むよ、本当に英語はからっきしなんだ」

「分かったよ〜、数学は教えてね?」

「分かる範囲であれば教えるよ」

しばらく話しながら歩いていると落ち着いた雰囲気のカフェに着いた。

「森野さーん、こんにちは〜」

「あぁ、谷川さんですか、そちらは彼氏さんですかね?」

「な、何言ってるの森野さん!!まだ違うよ!!」

「まだ……ですか、楽しみですね」

「もう!森野さん!?」

随分と仲がいいようだ、カフェの雰囲気も大変よく落ち着いた空気が漂っている。

森野さんはイケおじという部類に入るのだろうすごくかっこいい。

「島崎と言いますよろしくお願いします」

「よろしくお願いします、もしふたりが付き合った暁にはうちの店をご贔屓に」

「はい、そうさせてもらいます」

「島崎くんも乗らないでよ!?」

はっはっはっ、こんなの乗らないとじゃないか

慌てふためく谷川さんはとても可愛いのだ。

「森野さん、いつもの席借りるから!」

「は〜い、どうぞごゆるりと」

そう言って谷川さんは俺の手を引っ張って奥の方の席に座る。

「…………何か言うことは?」

「えっと……ごめんなさい」

可愛い谷川さんを見たかったのだ仕方ない。

「ふーん、で?じっくり見た感想は?」

「めちゃくちゃ可愛かったっす」

「許してあげる」

「島崎くんコーヒーは飲めるよね?」

「飲めるよ」

「森野さん!いつもの2つで〜」

「かしこまりました」

「これ飲んで見てほしいんだぁ〜」

すごく嬉しそうな顔をしながら注文していた。

「さて、切り替えて勉強でもする?それとも私の好みでも探ってみる?」

その顔は、余裕に満ち溢れており絶対に自分の好みを悟らせないという意志を感じる気がする。

「聞き出せるものなら聞き出してみなさい」

確かに難しそうだ、相手は心が読めるのだ全てが把握された状態からのスタート不意打ちもできない俺に勝ち目はあるのだろうか。

「じゃあ、どこか谷川さんは行きたいところある?」

「うーん、島崎くんが考えてくれたところならどこでもいいかなぁ〜」

これはどこでも良くないやつだぞ……

正解を何とか見つけ出すんだ。

谷川さんは相変わらずニコニコしている、俺の心を読んで楽しんでいるのだろう。

よし、決めた。

谷川さん、大好きだ、愛してる、今日の服装も可愛すぎるだろ。

露出が適度な感じで、清楚っぽいのも俺の好みにピッタリ。

こんな子が俺の事結構好きだなんて嬉しいなぁ。

「な、あ、え///」

照れてるチョロい……

「ま、まだ好きじゃないしぃ……」

「なぁ、谷川さん、俺は初デート2人で行きたいところに行って楽しい思い出にしたいな」

「で、デート……私たちまだ付き合ってないけど……男女が2人で出かけてるし……」

「谷川さんの行きたい場所も聞いてもいいかな?」

「はぃぃ」

よっしゃ勝った!!

しかし、頬を赤らめて悶えてる姿はなんとも、見入ってしまいそうな美しさがあった。

「若いというのはいいですな、お待たせしました」

「島崎さん程々にしてあげるんですよ、ではごゆっくり」

少し止められてしまったな、流石にやりすぎたか。

俺は谷川さんが落ち着くのを待ちながらコーヒーを飲む。

「あ、美味しい」

「はっ、そ、そうでしょ美味しいよね!」

何とか谷川さんも戻ってきたようである。

「そ、その、行きたいところよね」

「そうなんだよ、谷川さんの意見も聞いて決めたいなって」

「そ、その恥ずかしいんだけど友達と出かけること自体があまりないから、どこに行けばいいのか分からないの」

話を聞けば、心が読めるようになってから人とは出かけないし、花村さんもあまり外に自分から出ないらしく外で友達と遊ぶ経験が程ないのだそうだ。

「そ、それで島崎くんに決めてもらおうとしてたのよ……」

「分かりました、楽しませるように頑張りますね」

絶対に楽しませると心に誓った……

「さ、さぁ、勉強しましょう」

そうして、俺は好みは聞き出せなかったものの、かつてないほど気合いが満ち溢れたのだった。


「そろそろ、いい時間だし帰りましょうか」

時計を見れば5時過ぎになっていた。

かなり勉強も進んだので夏休みをしっかり謳歌できそうである。

「今日はありがとうございました、かなり英語が終わったのでこれから楽ができそうです」

「こっちも数学ができたからいいのよ」

俺たちは勉強の用意を片付けると店を出る。

「森野さんありがとうまた来るね」

「ありがとうございました」

「次来る時は恋仲になっていることを期待して待っております」

「もう!、最後の最後で!」

俺たちは駅まで歩いて行く。

「今日はありがとね、楽しかった」

「俺も楽しかったよ、今度デートに誘うから……絶対に楽しませるよ」

「ふふ、楽しみにしてるね」

俺たちは駅で別れると帰路に着く。

デートプラン考えないとな。




作者です。

1度下書きが消えてしまい、投稿が遅れてしまいました。すみませんm(_ _)m

そして

投稿順間違えてましたごめんなさい

修正済みです

「朝起きるとストーカー女がいる日常」

という新作を書き始めました。

そちらも少しでも興味が湧いた方は読んで応援していただけると嬉しいです。

※ヒロインの名前がずっとしっくり来なくて、変えました芹奈(せりな)が正しいです、変わっていないところがあれば教えてください。m(_ _)m

旧名 紲(せつ)

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