第14話 楽しんでくれるよね
俺はあの後数日考え込んで、考え込んだ末、少し離れた場所に水族館があるのを思い出してそこに行くことにした。
そして今日は谷川さんと一緒に水族館に行くのだ。
天気は快晴!気分も上々!俺はやる気に満ち溢れていた。
今日の目標はお互い名前呼びになること……
今日は頑張るぞ!!
俺は少し早めに待ち合わせの駅に着いた。
「あれ、谷川さん!?もしかして俺遅れちゃった?」
「違うよ、私も楽しみで少し早く来ちゃった」
楽しみにしてくれてるんだ頑張らないと……
「そんなに緊張してて大丈夫?」
「だ、大丈夫だよ」
今日は目標だってあるのだ、こんなところで緊張している場合では無い。
「じゃあ、行こっか廉くん」
「え……」
「ふふ、隠し切れると思ってたのぉ?」
小悪魔のように笑う谷川さんはとても可愛かった。
「ほらほら、女の子にリードされっぱなしだよ?なんて言うのかな?」
「行こうか、芹奈、今日は絶対楽しませるよ」
そう言って俺は芹奈の手を引いて駅のホームに向かう。
いつの間にか緊張はほぐれ、俺にあるのは自信とやる気だけだった。
「ふふ、楽しみだよ」
俺たちは電車に乗り少し離れた水族館にやってきた。
海が近くにあり、磯の香りが少しするような気がする。
「廉くん、早く行こ!」
「そうだね」
俺は芹奈の手をしっかりと握りながら水族館に入る。
「わぁ、見て見て、魚の群れだよ」
「あの魚可愛い〜、こっちのは変な顔〜」
すごく上機嫌な芹奈は俺の手を引いてどんどん進んでいく。
時間が経つにつれ、どんどんと手を繋いでいる恥ずかしさや、名前呼びに変わった新鮮さが押し寄せてきて、俺の鼓動が早くなる。
「ふふ、廉くんもちょっと恥ずかしいでしょ」
「そういう芹奈もさっきから意識しないようにしてるだろ?」
「バレちゃってたかぁ」
さっきからずっと前へ前へ進んでいく芹奈はきっと恥ずかしさを紛らわすために他のものへ意識を向けていたのだろう。
「ゆっくり行こう、時間はまだまだあるから」
「そ、そうだね」
俺は芹奈が意識するように隣に立って距離を縮める。
「いじわる……」
「可愛いね」
ジト目でこちらを睨む芹奈はとても可愛かった。
「本当に廉くんの心を読むと私の方が恥ずかしくなっちゃうじゃんズルい」
「可愛いから仕方ないだろ?」
ジト目になったりムスッとしたり忙しい子だなぁ
「あ、見てあっちにペンギンいるんだって見に行こ!!」
「わぁ、すっごいよ見て見て、てくてく歩いてる可愛い」
「そうだな」
「あのペンギン何となく廉くんっぽいような」
「そうか?俺にはそんなふうに見えないぞ」
そんな会話をしながら色んな場所を見て回っているとアナウンスが流れた。
「まもなくイルカショーが始まります」
「廉くん!」
「見に行こうか」
「うん!」
そうして俺たちはイルカショーを見に来た。
「うーん、着替えもないし前はやめとこっか」
「そうだな」
俺たちは濡れにくそうな少し後ろめに座った。
いざ、ショーが始まってみるとすごいの一言だったが俺はある考え事をしているせいであまり集中出来なかった。
「楽しかったね、廉くん!!」
「うん、めちゃくちゃ楽しめたな」
「ふふ、この後どこに行きたい?」
俺たちが水族館を出た頃には少し日が暮れて来ていた。
「芹奈、ちょっと着いてきてくれるか?」
「うん」
きっと芹奈にはこれから何をするかきっとバレている。
そしてそれの返事も決まっているのだろう。
俺は水族館から少し離れた場所に景色がいい場所があるのを知っていた、確かここに昔来た記憶があったのだ。
「わぁ、綺麗なところ」
「そう思って貰えて良かった、うろ覚えだったから心配してたんだ」
街から少し離れたその高台では、街や海を見ることが出来た。
珍しく人が本当に少なく、俺にとっては全てが好都合だった。
「……」
きっと待ってくれているのだろう、俺覚悟を決めた
「好きです付き合ってください」
「もちろん……よろしくお願いします」
手を差し出し、頭を下げている俺の手を掴んでくれた芹奈の手はとても暖かくて、優しかった。
「ごめんね、廉くん、本当はあの時いいよって言ってあげるようと思ったんだ」
「でも、これが本当に好きっていう気持ちなのかを確かめたくって」
「何となく分かってた」
「本当に勘がいいんだね、ズルいや……」
俺は掴んでもらった手を絶対に離さないと心の中で誓った。
「ふふ、離さないでね」
夕日に照らされた、彼女の笑顔はとても言葉に表せないほどに綺麗だった。
作者です
┏○┓
すみませんでした!!
ネタが、ネタがぁぁぁ
応援してください、頑張りますので何卒、何卒ご慈悲を
※ヒロインの名前がずっとしっくり来なくて、変えました芹奈(せりな)が正しいです、変わっていないところがあれば教えてください。m(_ _)m
旧名 紲(せつ)
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