第11話 2人きりの買い物

※廉視点

「じゃあ、服買いに行こっか」

「ありがとう」

悠真のやつ強引に逃げやがって花村さんも乗り気だったし......

「あの二人には困ったねぇ」

「全くほんとに同感だ」

嬉しいが困るものは困る

「ふふ、明日のために準備してたんでしょ?」

「まあ、そういうことになる」

随分と嬉しそうだ、この人は俺の事をどう思っているのだろうか。

「うーん、どう思ってると思う?」

「そうだな、少し気になる人くらいじゃないか?」

「......自分で言ってて恥ずかしくない?」

確かに恥ずかしいけど多分間違ってない気がするから言っているのだ。

確信はないでもそんな気がする。

「まあ、正解ではあるんだけどね?」

え?マジか

「案外気になってはいるよ?頑張って好きって思わせてね?」

「頑張るよ」

そんなやる気の出る会話をしているとどうやら着いたようだ。

「さ、行きましょ」

「お、おう」

谷川さんは入るとメンズの服の方に行き服を探し始める。

「へ〜男の子ってこんな感じの服なんだ」

俺も服に関しては何も知らないので何も言えないのだ。

「ふーん、島崎くんは背も高いしガタイもまあまあいいからなんでも似合いそうだよね」

近い......いい匂いがする

「ふふ、照れてる〜」

「谷川さんも無理してるくせに......」

目を逸らしやがった図星だな。

「こ、これとかどう?似合うんじゃない?」

話を逸らしやがった。

「なんのことかな?ほら、早く試着してきなって待っててあげるから」

「分かったよ」

俺は渡された服に着替えるカーテンを開けるとそこには違う服を持った谷川さんが立っていた。

「おぉ、かっこいいじゃん写真撮っていい?」

何に使うんだろうか。

「思い出だよ思い出」

「なら、どうぞ」

写真を撮ると、満足気に次の服を渡してきた。

「着替えてて!」

すると駆け足でまた服を探しに行ってしまった。

それから、かなりの時間着せ替え人形になっていた俺はようやく解放されるようだ。

「ふふ、ありがと〜、私はこれとこれとかが1番似合うと思うんだけどどうかな!」

「じゃあそれを買うよ」

俺はその服を持って試着室を出て会計を済ませる。

「ごめんね〜、着せ替え人形にしちゃって」

「俺が頼んだからいいんだよ」

それに楽しかったしな。

「ふふ、じゃあ帰ろう、帰ったら美咲を問い詰めてやるんだから!」

「俺も悠真をボコらねぇとな」

あいつ、本当にありがたいが突発すぎるだろ。

「ふふ、程々にしてあげてね?」

俺たちはあの二人の話をしたり明日のことについて話しながら電車に乗った。

「じゃあ私ここだから帰るね、また明日!」

「また明日」

今日は楽しかったな。

明日は勉強会だし、夏休みが今までにないくらい充実してる。

俺はこの夏休みに谷川さんにもう一度告白するんだ。

きっと成功する......いや、成功させるんだ。





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※ヒロインの名前がずっとしっくり来なくて、変えました芹奈(せりな)が正しいです、変わっていないところがあれば教えてください。m(_ _)m

旧名 紲(せつ)

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