第3話 ※ヒロイン目線

「美咲ばいばい!」

「はーい、気をつけて帰るんだよ〜」

帰ろうとロッカーに行くと、そこには手紙?が挟まっていた。

また告白だろうか......めんどくさいな

無視をするのも少し申し訳ないので中身を開いて確認すると、そこには予想どうりの内容が書かれていた。


「突然すみません

出来れば今日の放課後に校舎裏に来て貰えませんか」


簡潔で告白と断定できないがきっとまたいつもどうりの告白だろうすぐ行って断ろう。

私は人の心が読める、だから告白する男子の下心が見えてしまう、今までも何度も読むに耐えない下心が沢山あった今回もそうだろうしこれからもきっとそうだろう......

「はぁ、一応......ね」

私は思い足取りで校舎裏に向かう。

断ろう、この時はそれしか考えていなかった。

でも、私は校舎裏についた時今までの人生で1番驚くことになる。





「あなたがあの手紙を書いたの?」

すると彼は私の質問に答えることなく、両手を前に差し出して言った。

『好きです付き合ってください』

『この人は心が読めるかこれで確信できる』

私は驚いた、驚いて何を言おうとしていたのか分からなくなって慌てていた私は肯定してしまったのだ。

「あなたもしかして気づいてる?」

『まずい!バレた』

「やっぱりね」

『ど、どうする、このまま距離を置かれるのは嫌だ』

この子......本当に私のことが好きなんじゃ、私を驚かせて心が読めるかどうか確認するためのブラフじゃなかったのかな。

「安心して、あなたが今考えているようなことをするつもりは今の所ないよ」

『え!?』

「それは、俺ともう少し話してくれるということでいいのか?」

「あなたまさか本当に私の事が好きなの?」

『顔も好みだし、気遣いできるし、真面目で優しい人だから一目惚れしたんだ』

この子、私のことべた褒めするじゃない......

芹奈は今まで受けたことの無い感情をぶつけられた。本当に純粋な好意、下心はきっとあるのだろう、しかし読み取れないほど考えていないか必死に隠しているだろう廉に少しの興味が湧いた。

「はぁ、バレちゃったかぁ、いつかはバレると思ってたけど最初にバレるのは美咲(みさき)だと思ってたんだけどなぁ」

『美咲......あのいつも谷川さんの隣にいる』

「そうそう、今考えてる美咲で間違いないよ」

『これ俺が話さなくても会話ができるのでは』

「流石にそれはどうかと思うよ?好きな女の子に対してする態度ではないと思うなぁ」

流石にそれは誰かに見られた時に怪しいし、私も自分だけが喋っている気分になって寂しいのだ。

「谷川さん、本当に好きです付き合ってください」

『好きです付き合ってください』

本当に純粋な告白裏にある下心のしの字も感じれないほどに彼の心には今、告白のことしかないのだろう。

そして私はこの好意がどこか嬉しいような気がした、してしまったのだ、人の心が読めるようになってから私は人を好きになることなんてなかった。

でも、この告白は私にとって嫌なものではなくむしろ少し心地のいいような気持ちを私に与えてくれたこの気持ちがなんなのか、恋なのかそうじゃないのか確かめたいと思ってしまった。

「これ、私の連絡先だから登録して」

『............』

「おーい、心の中でまで無言になられると困るよ〜」

彼は黙り込んでしまった。

心が空っぽなのできっと頭が真っ白になっているのだろう。

『え?』

どうやら思考がまとまってきたようだ

『OKということか!?』

彼の頭はどうやら都合のいい方に全てを持っていくことで思考をまとめたようだ。

付き合うなんてまだ早いと思うの、もっとたくさん一緒に遊んでから......いっぱいお話して......いっぱいお互いのことを知ってから......

だ、だからまだ早いんだから!

「OKはしてないよ〜、私の秘密を知った以上ある程度は関わりを持つつもりだったし、ちゃんと私の事好きみたいだし、友達からってことでどう?」

『よっしゃぁぁぁぁ!!!!』

「うるさいうるさい」

すごく喜んでいる......そんなに嬉しかったのかな

えへへっ、彼の喜んでいる姿はとても愛らしく思わず抱きしめたくなるような子供っぽさがあった。

「はい、これで交換出来たね、改めて自己紹介をするね、私は谷川 芹奈」

「俺は島崎 廉だ」

「島崎くんね、私が心を読めるのは秘密だよ?今の所2人だけ秘密だいいでしょ〜」

島崎 廉くんか

廉くん......廉くん......えへへ

『可愛いかよ......』

「分かった秘密だ」

「......」

か、可愛いって、今可愛いって言ってくれたの!?

お、落ち着くんだ私......大丈夫、、ふぅ〜

「心が読めるの忘れてない?可愛いとか思ったら全部伝わるよ?」

『ふっ、のんぷろぐれむだ!』

彼の英語はとても英語とは思えない発音だった......

一緒に勉強する口実になるのでは!?会える理由にやるよね!そうだ!そうしよう!

「一緒に今度英語の勉強しよっか」

『彼女は成績優秀者だし谷川さんと2人で勉強出来るなんて俺に得しかないじゃないかいいのか!?』

「最初のキャラ崩れてない?もうちょっと落ち着いてる人だと思ってたよ」

最初の落ち着いた雰囲気は嘘かのように消え去っていた。

『好きな子と付き合える未来に1歩近づいたんだぜ!?

ハイテンションにもなるよ!』

「はいはい、良かったね〜」

ふふ、やっぱり喜んでる廉くんは可愛いな

「まあ、そろそろ夏休みだし夏休み島崎くんから誘ってくれたならどこかに行ってあげてもいいよ」

『これは実質デートの約束......

服とおすすめのデート先を悠真に聞いておこう。』

デート......デートかぁ、誘ってくれるよね!

「ふふ、楽しみにしてるよ」

すごく考え込んでる......心を読まなくても私とのデートのことを考えているのが分かる。

「そんなに考え込んでも夏休みはもう少し先だよー、後まだ付き合ってないからね?」

『もちろんそんな勘違いはしない

しかしすごく手のひらで転がされている気がするのだが彼女はこういうことに慣れているのだろうか』

こんなうぶで恋愛のれの字も経験してない私が男子に慣れているわけが無いのだ。廉くんが扱いやすく可愛くてちょっといじってしまうだけで。

「男子とあんまり喋らないし、告白とかは美咲にばっかり行くからね〜、告白して私の連絡先まで聞き出したのは島崎くんが初めてだよ」

「あと、勝手に島崎くんが私の掌の上で転がってるだけだからね?」

『初めてか......これからもそうとは、限らないんだ気を引き締めて、デートで楽しませて好きになってもらうんだ』

えへへ、どんなデートなんだろう......好きになってもらう......えへへ、ま、まだ好きじゃないからね!

勘違いしちゃダメだよ?

私は心で言い訳をまだ続けている。

本当は廉くんのことがもう、好きだと言っていいほど気になっているのに。

「頑張ってね〜」

「じゃ、また明日〜ばいばい」

これ以上ここに居るとボロが出てしまいそうな気がしていた私はそそくさと撤退することにした。


ふふ、私のことを好きにさせて見せてね廉くん......





別視点だとまた違う難しさがありますね。

どうも作者です。今回も大変読みずらかったと思うのですが。どうでしたでしょうか少しでも楽しめていただけたなら幸いです。


応援やコメントなどをしてくださるとモチベーションに繋がります......ぜひこれからに期待だとか面白くなって欲しい続きが読みたいな他はお願いします......

※ヒロインの名前がずっとしっくり来なくて、変えました芹奈(せりな)が正しいです、変わっていないところがあれば教えてください。m(_ _)m

旧名 紲(せつ)









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