第15話

 城門を出ると、辺りの景色にぼくは唖然とした。そこには、全てを白煙に覆われてしまった森林があった。動物が倒れ、草木が覆われて徐々に腐って行く。


 ぼくは獣の死骸を踏み潰しながら、森林へ向かって走った。ぼくは、壊滅してしまった森林の様子を目の当たりにして、元凶を倒さないといえけないと思った。


 白い煙はその範囲を広げていた。


 北へ向かえば向かうほど、獣の数が多くなってくる。ぼくが斬った獣の死骸も今では数え切れないくらいだ。


 目前に巨大なキリンのような首の長い生き物が現れた。その身体は白い煙で覆われ、蛆が湧いてはぼとぼとと地面に落ちている。腐敗臭がぼくの鼻で頂点を迎えると同時に、ぼくは飛び掛かった。


 剣で長い首を斬り落とす。すぐさま縦に胴を二分にした。


 キリンのような獣は、もう一体いた。


 長い首を上がると、そのままぼくに向かって降ろした。

 ぼくはそれを盾で防ぐと、今度は袈裟切りにキリンのような獣の息の根を止める。


 森林の奥へ北へ向かうと、丘に出くわした。


  そこから見える下方のトルメル城は、白い煙で覆われて白一色になっていた。まるで、大雪が襲ったような景色だった。だが、違うところは、至る所に黒い斑点が飛び交っていた。


 獣だけ黒い色なのだ。


 ぼくは急いで、元凶を追った。


 と、突然。

 発光した球弾がぼくへ向けて、空から放たれた。見ると、大蛇の首と頭を持つライオンのような胴体を持つ獣だった。大蛇の真っ赤な口から発光する球弾が幾つも放たれた。


 盾で受ける。


 ドンっと、球弾を弾いていくと、同時に周囲の獣もぼくを襲った。うん?? 

 なんだか、ぼくをとうせんぼしているように思った。


 一呼吸して、息を整える。


 剣が眩い光を放った。

 剣が吼える。


 ぼくは渾身の一撃を遥か遠くの大蛇へ向けて、放つと。眩い光がそのまま剣から爆速で突進し、爆発と共に光の束が霧散した。


 光の束は、大蛇の身体を無数に貫いていく。

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