第14話
トルメル城の城下町の全ての建造物が、次々と白い煙を昇らせて腐り落ちていく。逃げ惑う人々も徐々に白骨化していった。ぼくは、城下町の道路を羽つき二本足の獣を斬り倒しながら、走った。
「うおおおおーーーー!」
白い煙を全身で浴びながら、ぼくは目に映った獣は瞬時に斬りながら、空から向かってくる獣も斬り倒す。
辺り構わず斬り伏せていると、辺りは静かになってきた。地面には、ぶすぶすと白い煙を上げておびただしい数の獣たちが、息絶えている。今度は、ぼくは城下町の外へと出ようとした。
「おお、勇者よ。なんて、強さだ!」
「……今のぼくに話し掛けるな」
「魔のものは、この先の北の方にいるんだ。どうか、その剣で斬ってくれ。この国の王を守ってくれ」
「……」
ライラックに似ている男が、城の外へと向かう道すがら懇願してきたが、その男は泣いていた。ぼくは、その……ライラック家のものを置いて、白い煙を上げている城門を開けた。
わかっている……。
わかってるんだ……。
ぼくは……。
魔族を倒すために、ここへ来たんだ!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます