第11話

 おおおおおーーーー!!

 おおおーーー!!

 おおーー!


「うん?」


 何か遠くの方から大勢の人の声が聞こえる!

 

 あれ??


 徐々に近づいてくるような……??


 広場の祭りの騒ぎが急にシンと静かになった。

 周囲には、不安の顔しか見えない。

 

 一体? なんだろう??


 ぼくも不安になってきた。


 ぼくの手を握っていた子供たちが、北の方を指差し、声にならない声を発した。


 それからだった。

 みんなが逃げ出したのは。


 祭りは一瞬にして、パニックになった。


 遥か北からおびただしい羽音を発し、黒いものが幾つも飛来してくる。

 広場の周りの建物が急に、白煙を上げた。


 でも、燃えたわけじゃないみたいだ。

 なんだか、臭いがそうじゃない。


 うん??

 この臭い??


 建造物が至る所で、不気味な音と共に白煙が立ち上る。

 それは、腐った臭いだった……。

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