第5話
たくさんはしゃいで疲れた、アイスが食べたいという彼女の要望で僕たちは近くのコンビニに足を運んだ。
「悩むなあ、抹茶かチョコか。キャラメルの気分だけどもう少し先だからなあ。」
彼女はぶつぶつと呟きながらかれこれ10分は悩んでいる。
僕はコンビニにつく前からもう買うものは決まっているので10分ただ待っているだけになる。
「君は何にするか決まってるの?」
「バニラアイス一択。練乳取ってくるから早く選んでね。」
「はーいって、え?今聞き間違いじゃなかったら練乳って言った?」
「え?うん。バニラアイスに練乳かけて食べるのが定番でしょ。」
「いやいやいやそんな定番知らないんだけど!?甘×甘?君ってめちゃめちゃ甘党なんだね。糖尿病なっちゃうよ?」
今まで自分が甘党な自覚はなかったが彼女があまりにも真剣な顔で言うものだからそうなのかと納得してしまう。
「それより"あの"問題がありますよ。」
アイスコーナーでこの話し出しって時点でなんとなく察しはつくけどどの問題ですかとでも言っておくべきなのかこれは。
悩んでいる間に彼女が切り出す。
「ずばり!ひーくんはチョコミン党ですか!」
「いいえ。」
「やっぱりかあ、わたしもチョコミントはあんまり好きじゃないんだよね。食べようと思えば食べられるけど食べたいとは思わない。」
これはすごく同感だ、僕もチョコミントは食べられるが好きではない。
そもそも甘いチョコレートと清涼感代表のようなミントをなぜ組み合わせようと思ったのかが不思議で仕方ない。
だが世のチョコミント嫌いの言う「歯磨き粉の味」も理解できない。歯磨き粉に清涼感はあるが甘さはないだろう。
「チョコミントってだれが作ったのかな、てかあれって歯磨き粉の味ってより歯磨き後のチョコの味じゃない?まあ歯磨きの後にチョコ食べないけどさ。」
「それについては同感だけどいい加減どのアイスにするのか決めてもらっていいかな、さっきから店員さんがこっちを見てるんだ。いたたまれない。」
はーいと間の抜けた返事をしてバニラアイスを手に取った彼女とレジに並び、僕らはやっとコンビニを後にした。
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