正竜聖龍激突絶望大決戦編
第66話 怨霊VS正竜
ジンが未亜へと告白をし、恋人になってから数日後、ジンは陽菜の頼みである神社に来ている。
「俺と未亜って恋人になったばっかりなんだから、もうちょっと一緒に居たいんだけどなあ。さっさと終わらせて帰るか」
ジンはそんな事を口から発しながら、右手を翳してジンの方向にやってきている怪物達を魔力で押し潰す。
ジンの魔力を当たらなかった怪物は自身の体に魔力強化をして走る。
ジンはその走ってくる怪物に向かってジンも走り、その怪物達の間を通り抜ける。怪物達に拳を加えながらも。そしてその拳を喰らった怪物達は、その攻撃力に耐えられず、爆散した。
「狼は脆かったけど……今度はゴーレムだから硬そうだな。まあどうでも良いか。どうせ、全てをぶっ壊すんだから」
ジンはゴーレムの右腕を使った攻撃を跳んで回避し、その右腕に乗っかる。その後、足に少し力を込め、ゴーレムの顔に向かって飛んでいき、横蹴りを喰らわせる。
ゴーレムがジンの攻撃を喰らって怯んだ後、ジンはゴーレムの背後に回り、魔法陣を刻んだ片手でゴーレムの背中に触り、砲撃魔法を発動させる。
ゴーレムはこの魔法に耐え切ることは出来ず、崩れ去った。ジンはその事実に「ふぅ」と息を吐きながらも、周囲を見渡す。そうすると、周囲には蜥蜴を人型にした怪物が存在していた。
「なるほど、
蜥蜴騎士はジンの素で見える範囲でも100は超えていた。
蜥蜴騎士は攻撃してこないジンに対して、数に驚愕していて攻撃もできないと思ったのか、毒属性の技を総攻撃してきた。
しかし問題にはならない。ジンにとってこの程度の毒は差し支えない。
「お返しだ」
ジンは蜥蜴騎士の攻撃を全て喰らった後、倍加させた毒攻撃を放射する。これはジンに内包されている能力では無く、竜王帝として降臨した時に獲得した『無王竜』の能力を活用したものだ。
「やっぱり毒が弱点か」
蜥蜴騎士とは本来、あらゆる攻撃に耐性が付いている怪物だ。それは毒も例外では無い。しかしその耐性には弱点が存在する。毒を得意とする個体には、自身の使う毒以上の濃度を持つ毒を使われると、抵抗する隙なく倒れてしまう。
ジンは蜥蜴騎士が全員殺した後、上空に目を細めながら向けている。その目線の先には、この怪物達をジンに向けた元凶が居るからだ。
「なるほど、お前が元凶なのか。そんで、何がしたいんだ?怪物の皮を被った怨霊」
「我ハ怨霊デハナイ。コノ地デ祀ラレテイルと土地神ダ」
「いやお前神じゃねえだろ。神にしては薄汚れすぎてんだよ。純粋な神なんかはそんな死を抱かないんだよ。お前は良いとこ、もっと生きたかった、っていう人々の願望から生まれた死霊だろ」
ジンは神の事をよく知っている。この世界で、二番目に長く敵対していたのだから。
怨霊はジンの言葉に沈黙を貫く。そして数秒後、怨霊はジンに向かって手を翳し、炎塊を発動する。
ジンは手に魔力を纏った後、その炎塊を両手で掴み、怨霊に向かって投げ飛ばす。怨霊に当たった炎塊は爆発し、煙が生じた。ジンはそれをチャンスだと思い、怨霊の頭、頭蓋骨を掴み、その手に竜力を活性化させ、爆発させる。
「少し、強すぎたか。割とヒリヒリすんなあ。お前はどうだ?怨霊」
「頭蓋骨ノ右半分ガ消シ飛バサレタ。ヤッテクレタナ」
怨霊はそんな事を言いながら頭蓋骨の右半分を再生させようとするのだが、それを見逃すほど、ジンは甘くできていない。
ジンは魔力と竜力を二重に重ねて強化し、1塵もしない内に怨霊の懐に移動して拳を腹に喰らわせる。
『バージェルト!』
ジンがその技を喰らわせると、怨霊はその攻撃で大きな衝撃が発生し、木々を多数突き抜ける。
ジンにとってその吹き飛んでいる間も隙。ならば追撃するしかないだろう。
ジンは空中に魔法陣を展開し、魔法を放射する。
『戒玉弾』
ジンが降臨した事で、更にパワーアップした『戒玉弾』は地面を抉りながら怨霊に向かう。
「コンナノニ!我ハ負ケヌ!」
「いいや、負けるんだよ」
ジンは竜王帝としての力を利用し、竜力を雷竜の力に転換して自身の体に纏わせる。
『
ジンは両手を構え、怨霊に向かって近づけさせる。しかし決して当たることはない。この技は力が大きい為、下手に直に当てると、ジン側にも反動が来てしまう恐れがあったからだ。
怨霊はその攻撃で再び吹っ飛びそうになるのだが、ジンがその吹き飛びを止める。
「破壊の海、創造の空、存在の地。虚無の地獄判決」
ジンは怨霊を掴みながら言霊を唱える。花音と同じく、一言一言、一文字一文字がジンが発動させようとしている魔法の効力を上げているのだ。
ジンが長くの間、戦闘で培った経験、勘、そんな様々なものが言霊へと導く。
そしてその言霊が、ジンの魔法を更なるステージへと至らせる。昔のジンならば到底成し得なかった。
宿主である未亜の解析、そして判明した魔術。
それらがジンの魔法を昇華させる。
魔法というには、強大過ぎる。
魔術というには未完成過ぎる。
そんな歪に昇華させたのだ。
「
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