第31話 双帝チートVS鬼の暴虐

巨鬼は自身の自滅?によって足が揺れるのだが、持ち堪え、特段の咆哮を放つ。まぁ、私達二人には何の影響も存在していないのだけれども。今度は何をするつもりなのやら。私はそう思いながら優香とアイコンタクトとした後、巨鬼へと突っ込んでいく。


『斬武』


『星突』


私と優香はそれぞれの技を巨鬼にぶつけようとするのだが、巨鬼を中心に大爆発が起きる。私達は突っ込むのは得策では無いと思い、踏みとどまる。そして爆発が晴れた所には強大な魔力を放出している巨鬼が其処には居た。はぁ!?あのダンジョンマスターと言い、偽ナーガと言い、最近進化しすぎじゃ無い?


全く、なんでこんなに進化するのやら。はっ!!もしかしてファーブスの仕業か!!許さん、許さんぞ、ファーブス!!!


※ブーファスだし、今回に関しては巨鬼が進化しただせである。とは言っても、偽ナーガとダンジョンイレギュラーの時は関与しているのだが。


なんか変な声が聞こえた気がしたけど…………気のせいかな。………………気のせいという事にしておこう。それじゃ、どれだけの攻撃が効くのか試させてもらおう。


「月光一刀流」


『三日月』


私は上に持ってきた刀を下へと振り下ろす。そうすると、三日月型の斬撃が生じ、巨鬼の方へと向かっていく。そして次の瞬間、三日月の斬撃が当たった巨鬼の腕は斬り飛ばされた。


「すっごい、あんなに簡単に切り裂いた!!この調子でバンバン切り裂いてよ、未亜!」

「無理。あの技はそうポンポン出せる技じゃない。私の今の総魔力量が100だとしたら、あの技は30ぐらい使うから」

「いやいやいや、だったら何で急に使ったの!?」

「どの攻撃が効くか分かんなかったから」

「だとしてもだよ!というか普通は弱い方からやらない!?」

「だってそれをやったら魔力が無駄になるかもじゃん」

「絶対に……絶対にあの技を使った方が魔力の無駄遣いでしょ!?」

「はぁ」

「はぁ、って何!?ため息、ため息なの!?ため息を吐きたいのは私の方なんだけど!?」


私は優香のその言葉を無視し、巨鬼の再生されてある腕に向かって刀を振るう。少し魔力を込めただけだったのだが、思いのほか、深く入った。しかしこのままは不味いね。それじゃあ………これで!!


『雷衝』


自分自身の魔力に雷の属性を付与した後、その魔力で衝撃波を発生させる。一瞬、巨鬼の腕から『バチバチ』という音が鳴った後、強烈な雷が生じる。そしてその後、巨鬼の腕に穴が開き、再生した腕が再び落ちる。


「これで効くんだ………………ごめん、優香。優香の言う通りだった」

「うん、まぁ……………そうだろうなとは思ってたよ」


私と優香はそんな会話をしていると、巨鬼はフラフラとした足取りで立ち上がる。魔力を使い過ぎたし、血を流しすぎたのか。それじゃ、終わらせるとしようか。私は『三日月』とは違う、少量しか魔力を消費しない魔力斬撃を喰らわせる為に愛刀を振るう。そして巨鬼はその斬撃を避けた。


「あ、避けられた」

「ちょっとぉ!?普通に魔力を更に込めてれば良かったでしょ?」

「だって……………もう避ける体力は無いと思ったから」

「そうやって怪物達に意表を疲れたのが何回遭った事か」

「ギクッ」

「自分の口で『ギクッ』なんて言う人初めて見たんだけど」

「良かったじゃん、初めてを見れたよ」


私と優香がそんな事を言っていると、後ろから『バリガリボリバリ』という音が聞こえてきた。私はその音が気になり、後ろを振り返ると、巨鬼がダンジョンコアダンジョンの核を食べていた。


「ねぇ、優香、嫌な予感がするんだけど」

「奇遇だね、未亜。私もすごく嫌な予感がするよ」












花唄未亜、神道優香。この未完成の英雄である二人が巨鬼の■■を見ている。この二人の得策は巨鬼が■■を完了する前に殺す事。しかし出来はしない。それがクソッタレな■■■が残したゴミみたいな法則ルールだからだ。


特撮系で言う、敵が変身し終わるまで待っているという感じだ。




巨鬼は■■進化を成功の一手まで持っていく。最初の成功確率は1%にも満たなかった。しかし巨鬼が■■進化の為に進化をする。



■■進化の為に進化をしているのだ、デメリットが全く無いという訳では無い。身体が変化し、自身の魔力諸々が暴縮され、魂がの壊されながら再生をする。


身体変化や魔力暴縮は兎も角として、一番のデメリットは魂の破壊再生である。人の筋肉とは違い、一度破壊された筋肉細胞、いや、魂の細胞が復活出来るという確信もない。そんな並外れた芸当を出来るのはジン、ロッド、ユーフォスなどの英雄達だけだ。


しかし例外が誕生しようとしている。途方もない努力と経験、その両方を併せ持つことによってそれを成し得る事が出来るという常識が。


原初の英雄、■■・■■■■はこう言った。





『世界とはいつも変革を迎える。停滞に見える様な物でも、些細な出来事が変革なのだ。だから変革を恐れるな』






「化け物、か。まさにピッタリだね、巨鬼」

「それ、私達だけには言われて欲しく無いと思うよ」


私と優香はそれぞれが所有している力を発動する。私は邪力を、優香は霊力を発動させる。そして纏わせる。私は紫黒色、優香は無色を。


そして私達は巨鬼の魔力をだからどうしたと言わんばかりに、限界を知らないと言わんばかりに力を放出する。私と優香、巨鬼の力のぶつかり合いで揺れが起こる。地震とか、そんなのじゃ無い。空間その物を揺らしているのだ。


「行くよ、優香」

「分かってる」









_______________________

□邪悪ノ罪能力掲示板の住民

種類は多々あるのだが、ジンが顔を出した掲示板が最高位悪魔ばかりが居る掲示板。そしてこの掲示板は悪魔界にて尊敬されている者ばかりが集まっている。もちろん、ジンもその一人である。


補足:ロッドは畏怖をされている。


□漆黒舞の使い手

色白紫苑の事。


補足:ジンは色白紫苑に自身が作った英幻流を教えたいと思ったが、色白紫苑の能力にはジンの徒手空拳の師匠(ジンが勝手に呼んでるだけ)が居たので諦めた。

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