第22話 神秘な€#の使い方
「陰突」
私が魔法特攻の魔法を発動し、極大な魔法玉に当たるのだが、全く勢いは止まっていない。いや、それどころか、弱まってすらもいない。これ………本当にどうしようか。キツいどころの話じゃ無いよ。あの毒蛇以来の………いや、それ以上の大ピンチだ。はぁ、どうしようね、ジン。
『命を賭ける、それしかねえだろ。このまま爆発させてみろ、この空間が崩壊し、外にいる奴等が殺されるぞ』
だよねぇ、やっぱりそうなるか。私はジンとそんな会話をした後に邪力と魔力を集め、極大の魔法玉に向かって突っ込んでいく。私はその魔法玉に入ると、強烈な魔法ダメージが私に来る。キッツイ!この魔法玉に込められてある膨大な魔力が私の魔力、邪力操作の邪魔をしている。
しかし力を振り絞り、手と手を丸の様な形にし、魔力と邪力を形成して放出する。私の魔邪放出とダンジョンイレギュラーの魔法玉がぶつかり合い、押し合っている。ジン!さっき言ったよね、命を賭けるしか無いって。だったらその発言者らしく手伝って!
『………………っ!嗚呼、そうだよな。マスターがそこまで彼奴等を守ろうとしているのを分かっていた筈なんだけどな。全力で手伝うよ、俺の命を賭けて』
ちょっ!?流石にそこまでやらなくても……………いや、ジンにとってはそれ程、なのかな。私はそんな事を考えながら魔力と邪力を放出していると、限界出力が上がった気がした。ははっ、これが限界を超えたということか。やっぱり限界を越えるには死に際が1番なんだねぇ。私はそう考えながら上がり続けている出力で魔力と邪力を放出する。
私とジンが思いっきり放出していると、私の魔力と邪力から爆発が生じる。もしかして魔力と邪力が膨大過ぎて変化しかけているの…………?もしそうだったとしたら、もっと強大なのになるかもしれない。私はその考えを抱き、手を合わせ、融合させる。これは毒蛇戦に経験した。そしてこれからが私の賭け!
私が変化させていると、『バチンッ!』という音が鳴った。あ、あ、失敗した。ごめん、ジン。ジンの命まで賭けていたのに……………!
『ハハっ!いいや、成功だ!』
私の脳内にジンの明るい思念が響いた。私はその思念に驚き、俯いていた面を上げると、私が放出していた魔邪がダンジョンイレギュラーの魔法玉を押して………………優勢になった。
『一気にぶっ放すぞ、マスター!!!!』
うん、分かった。思いっきりいこうか!
『「我は■■、我は人、あらゆる憎しみを背負った忌むべき対象。我は、我らは怒る。貴様らが理不尽なまでに我らを追い詰めたのだから。今こそ決戦の火蓋が落とされる。古の誓いを果たすべく、今我らは動き出す。さぁ、悲劇の始まりだ」』
『「復讐は終わり、この世界には何も残ってはいない。残るのは我が心、虚無のみ。破壊も、古の誓いも終わった。そしてこれから始まる、新たなる世界が。ならば背負おう、憎しみも、怒りも、悲しみも、苦しみも、全ての悲劇を背負ってみせよう。さぁ、喜劇の始まりだ」』
『「
『「第二章:
私とジンがこの魔法を放つと、ダンジョンイレギュラーの魔法玉は私たちの魔法に押し負け、消え去っていた。私は膨大な魔力、邪力消費によって息を荒げてしまう…………が、それでもダンジョンイレギュラーを睨みつけるのをやめない。ダンジョンイレギュラーは私にあの魔法玉を消されると思っていなかったのか、思いっきり焦っていた。
『焦るなよ、マスター。彼奴、まだ余力を残している。今、無茶をやって突っ込んでみろ。今回こそ死ぬぞ。今は回復を優先しろ。ダンジョンイレギュラーとの戦いは彼奴からで良い』
うん、分かった。私はジンの言うことを聞き、息を整え、魔力、邪力を回復させる。そして数分後、私は結構回復した時にダンジョンイレギュラーが私に向かって襲いかかってきた。私は私に向かって拳を振るうダンジョンイレギュラーの懐に潜り込み、拳を叩き込む。
しかし私はそれで終わりでは無い。私はダンジョンイレギュラーが私を自身から離そうとして魔法を行使する。それを上に飛んだ事避け、ダンジョンイレギュラーの頭に蹴りを喰らわせる。魔力と邪力で強化したんだ、結構強いはずだよ。
私はそんな事を考えながら追撃を開始する。先程に邪力と魔力を融合変化させた事で獲得した力、それを魔法に入れて放つ!
「€#神秘」
私は魔力と邪力を融合変化させた力で魔法を行使すると、白い光線が一直線に進み、ダンジョンイレギュラーの右腕を奪い去った。ダンジョンイレギュラーはその事態に最初は把握できていなかったのだが、数秒が経つと理解出来たのか、怒りを乗せた鳴き声で叫び回る。
てか、暴れ回り過ぎでしょ。怪物ってこんなんじゃないでしょ。狡賢い、狡猾、卑劣、卑怯、そんな感じじゃんか。なのにこのダンジョンイレギュラー、そんな感じが全く無いって言っても良い。
『良くも悪くもダンジョンイレギュラーだからな。殆どの怪物は生まれた時からある一定の知能と知識は持っている。しかし此奴はダンジョンイレギュラーだ。そんな知能と知識が無いんだ、子供の状態なんだろ』
私が『はえー』と感心していると、ダンジョンイレギュラーは怒りが爆発したのか、魔力を全力で開放している。
『行くぞ、マスター。こっから先がファイナルラウンドだ!』
うん、行くよ。ジン!私とジンはそんな会話をしてからダンジョンイレギュラーに走り、拳を振るう。しかしダンジョンイレギュラーはソレを防いでから蹴りを叩き込もうとしているが、私は魔力を使用した衝撃波を喰らわせることで避ける。
ダンジョンイレギュラーはそれを予想しておらず、防げなかったのか、勢いよく吹っ飛んでいった。しかしダンジョンイレギュラーはただ吹っ飛ばされるつもりはないのか、魔法を展開する。本当に凄まじい展開速度だよ。それじゃあさ、行くよ、ジン。
『嗚呼、やるぞ』
『「極天花」』
私とジンは魔法陣を高速展開し、魔法名を唱えると、ピンク色の光線が出現する。そして同じ時、ダンジョンイレギュラーの魔法を完成し、放っていた。ははっ、やっぱり重いよねぇ。だけど…………負けるつもりは毛頭無いんだけど。私はそう考えながら魔力出力を上げ、『極天花』の威力を上げる。
しばらく私とダンジョンイレギュラーの魔法が押し合いをしていたが、私の方が優勢になり始め、押し切った。そしてそれから私は更に追撃を開始する。『極天花』、この魔法は最初のだけでは無いのだ。この『極天花』の効果は何度も何度も砲撃をする。花が散る時の花弁の如く。
『この魔法を見た時に思ったけどさ、随分と派手な魔法だよな』
そう?ピンク色の魔砲が幾度も幾度も降り注ぐだけで…………………いや、これ充分派手だね。私がそう空から傍観していると、ダンジョンイレギュラーの周りに真っ黒い物が現れた。あれ、魔法みたいだけど…………………
『ああ、絶対にあの怪物の仕業じゃねえだろうな。あの黒い魔法とダンジョンイレギュラーの魔力が異なり過ぎている。魔力濃度も魔力練度も魔力の色も、な』
「ふふふ、困りますねぇ。私たちの計画の要にある【ガイネル】を殺そうとするなんて」
「そう、だったらさ、どうして最初から助けに来なかった。お前ほどの実力者なら出来ていた筈だよ」
「確かに私は出来ていました、しかしそれは違う。それをやってしまったらガイネルは成長出来ません」
「なるほど、計画を進めやすい様に、ってことね」
「酷いですねぇ、親心、と言ってもらいたいものですが」
「無理でしょ、誰がどう見ても貴方にはそういう物が微塵も感じられない。あったとしても玩具に注ぐ愛みたいな物でしょ」
「あーあー、怖い。そこまで分かってしまうとは……………なんとも恐ろしいですね。それではそろそろ退かせてもらいましょうか」
私と黒い奴がそう会話をしていると、黒い奴がそんな事を言った後に自身とダンジョンイレギュラーに黒い魔法を纏わせる。そうすると、一瞬の間に消えていた。転移魔法の部類…………なのかな?
『……………………………………』
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