第閑話 エンドロール

「出演」


【主人公】  あおい 深雪みゆき


【想い人】 霧江きりえ 優斗ゆうと


【恋 敵】 望月もちづき 朝日あさひ


【協力者】 村雲むらくも 共哉きょうや


【その他】 深雪の母

      学校の先生方

      朝日の取り巻き

      文化祭の時の男子グループ

      あかね(夏祭りの時に変装?をした深雪)

      共哉の陸上部の友達


「制作」


【作 者】 無口むくち



 ◇◆◇


追加説明

 本編で触れられなかった部分の解説をしていきます。


深雪が優斗のことを好きになった理由について

 愛が重くなった理由は作中で書きましたが、きっかけについては触れられないまま終わってしまいました。予定では回想などで理由を散りばめるか、初恋(ファースト・ラブ)編をどこかに入れるつもりでした。ですが、できないままで終わりました。

 深雪が優斗を好きになった時期は中学生の頃でした。小学校から一緒だったのにどうして中学で好きになったのか。その理由を物語として文字に起こすことが出来たら、この閑話の後に続けて書こうと思ってます。


登場人物の名前の由来について

 作品メインのメンバーにはそれぞれ、名前に天気に関係する言葉が入っていることには気づいたでしょうか。深江、朝、村。それぞれに合う天気が入っています。

 詳しく、一人づつ名前の由来を説明していきます。

 蒼深雪。蒼は色の青です。作者の中で青色には嫉妬のイメージがありました。本編で朝日に嫉妬する深雪にピッタリの苗字だと思っています。名前の深雪については、愛の重さ。深く溺愛しているそんなような意味が含まれています。

 霧江優斗。霧には幻だったり掴めないものという意味合いが入ってます。深雪目線での優斗は手を伸ばしても手に入れられない存在でした。名前の優斗にはそのまま、優しい性格を意味しています。

 望月朝日。月や日、朝からは明るさを彷彿とさせます。深く奥底にいる深雪とは対極であり、朝日の明るい性格ともマッチしています。

 村雲共哉。日を隠す雲は、雪と相性が良いです。また、共には共哉の肩書きでもある協力者を意味しています。


タイトルの由来について

 タイトルの「デッド・エンド・ロール」はそのまま訳すと「エンドロールが死んでいる」つまり、終わりの無いという意味になります。作中で死んでも人生が終わらなかった深雪と同じです。

 また、「デッドエンドを繰り返す」と訳すこともできます。ロールは正確には転がる、回るという意味ですが、同じ場所を何回も何回も回ることつまり繰り返すと意訳します。デッドエンドとは、行き詰まり、袋小路という意味で要は詰みということです。こちらも、詰んで繰り返す、深雪と同じです。

 つまり、失敗して繰り返す、そんな人生が終わらない。そんな深雪の生き様みたいな意味がタイトルに隠されていました。


死ぬ描写について

 最初に言っておきますが、無口(作者)は自殺願望を持っていません。死にたいと思ってる訳ではないので安心してください。

 大体の死ぬ描写には「意識が途切れた」と書いてあります。深雪視点なのだから「死んだ」と表現するのはおかしいのでこう表現しているのですが、「意識が途切れた」というのは少し曖昧な感じがします。実際どの程度で人が死ぬのかを作者が理解していないため、「意識が途切れた」ということにして、明確に死んだと表現するのを避けてました。

 実際、こんなのじゃ人は死なないだろ、と思ったかもしれません。もしかしたら、あの状態から助かっていたかも知れません。ただ、深雪の意識は過去に戻ってしまったため、深雪は死んだと思ってる、と考えて良いです。

 物語でも、最初に撥ねられても、重症で記憶喪失になっているだけで死んでいませんでしたし。そんな、死んだと明言しないある意味優しい物語なのでした。

 もう一つ、かなりリアルに死ぬ様子を書いていました。これは、作者の予想で書いているところが全部なので、実際はそう感じないぞ、と思われても何も言い返せません。一度死に方について調べてみようとして、検索をかけた時に、自殺しないで、みたいな相談所の番号とか出てきて、慌てて閉じました。


時間遡行に関係する説について

 作中では主人公の深雪がタイムリープを使い自分の求める結末にしようとしていました。実際は深雪の頭の中の世界の話なので本当の時間遡行に関する説とはあまり関係ありません。しかし、頭の中とはいえタイムリープを扱ってきたので説明をしていきます。

 一つ目、歴史の修正力。作中でも触れたこの説は猫型ロボットのでるお話にも登場していました。過去改変は一部は成功するが、徐々に元の歴史の流れに近づいていき、結果元の歴史と同じ流れになる。実際に深雪はクラス替えなどで改変には成功していました。しかし、優斗と付き合うのは叶わず毎回朝日に取られてしまいます。ここでは、優斗と朝日が付き合うのが運命、変えられない事象になっていました。作中では、深雪が諦めるための調整になっていましたが。

 二つ目、バタフライエフェクト。この説は、過去改変に関わらず、ほんの小さな事象が未来の大きな事象の原因になっているかも?というものです。ここでは簡単に、無意識に行った行動で起こした変化としておきます。深雪の起こしたバタフライエフェクトでは、学校祭、体育祭などでのランキングの変動などが挙げられます(書いてはいませんでしたが)。また、作中の大きな変化として入学式、登校するか否かで、朝日に出会う期間が変わりました。


最狂について

 最も狂っていると書いて「最狂」。その割には、深雪は「最も」というには不十分だと思いませんでしたか?読者の中には深雪よりも狂ってるキャラ知ってるという人もいるかもしれません。深雪のしたことで言えば、好きな人の監禁とライバルの抹殺(未遂)、自殺です。まぁまぁ狂っていますが、最狂というには物足りない気がします。

 今回の最狂とは、深雪史上で最も狂ったと解釈します。そのため、最狂編で色々やらかしてます。


物語の構成(視点)について

 今回は物語の流れ的に深雪視点+第三者視点のみで構成しました。

 理由は、深雪の頭の中の世界の話だったからです。深雪の見たもの感じたものが全ての物語のため、他者の視点や感じたものは深雪の知らない部分になるので、他者の視点を入れるのを意図的に避けていました。

 第三者視点も、オリジナルの深雪が語っていたと考えると、全てが深雪視点とも言えます。


共哉の恋模様について

 修学旅行編の最後の方で共哉は、深雪に告白をしました。突然のことで驚いた方もいるかもしれませんが、それもそのはずです。今回の物語は深雪視点だったため、共哉の視点を入れることができませんでした。そのため、読者からは朝日を好きだったはずなのに急に深雪のことが好きになってたよくわからない奴、みたいな認識だっかかもしれません。

 それでも、好意を抱いてる片鱗は見せていました。朝日と同じ系列にしなかったのも深雪に好意を抱いていたからです。


朝日の趣味事情について

 朝日の趣味はアニメを見ることで、そのこともあって優斗に興味を持ちました。作中では、周りに趣味を共有していないと話ており、いつも一緒の二人には話ていないことがわかっています。

 友人の中で朝日の立ち位置は、お姫様みたいなものでした。成績優秀で容姿端麗、部活でも功績を残している、友達として憧れの存在。そんな朝日は、友達の前では完璧で居ようとして、趣味のアニメの事を言えずにいました。

 結局、朝日がアニメが好きだろうと好きじゃなかろうと友達が離れることはありませんでしたけど。


本当にラブコメか?について

 ラブコメの定義。カクヨムのタグ付けでは男主人公の恋愛作品みたいな感じだった気がします。今作の主人公は女ですのでこれには当てはまりません。なのにタグにはラブコメと書かれてあります。

 作者は恋愛作品と聞くと、純粋に恋模様だけを書いた作品だと思ってしまいます。今作はタイムリープという、非現実的な表現が含まれており、これには該当しないと感じてました。

 そのため、非現実なことが起こっても不思議ではないラブコメというジャンルにしました。ヒロインが五つ子だったり、許嫁がいたり、お嬢さまが通う学校があったり、複数の女性が一人の男性のことが好きだったり、女の子みたいな男がいたり__、そんなレベルの話だと思っています。


06:23について

 朝日が優斗にキスをした時間である、六時二十三分の0623には、意味があります。あとがきのヒントに月日と書かれていましたが、よく分かりませんでしたよね。06:23を月日にすると六月二十三日。この日の誕生花に秘密がありました。誕生花の一つがタチアオイ。主人公の名前でもある「あおい」が入ってます。花言葉は「野望」。優斗を振り向かせるために繰り返し続ける深雪にピッタリの花ですね。そんな、深雪に関わりのある花に朝日と優斗がキスをした。すなわち、深雪の野望には優斗と付き合う事だけではなく、朝日を蹴落としたい、そんな望みも含まれていたかもしれませんね。

 また、数字繋がりで、宝くじ一等の当選番号もあります。873714にはルビでもあった通り、はなさないよ、つまり優斗を離さないそんな深雪の気持ちとマッチしています。


登場人物のモデルについて

 登場人物一人一人に無口(作者)の中ではモデルがありました。

 主人公の深雪は今の自分。自分から何もせずに先延ばしにする。聞きたく無いことから逃げるそんな今の悪い方の自分。

 優斗は過去の自分。真面目に物事に取り組んで、何事にも一生懸命。少し恥ずかしがり屋で前向きな昔の良い方の自分。

 朝日は憧れの人。初恋の人とも言える。努力家で、明るくて、その場の中心にいるような人。運動も勉強も頑張っていて尊敬する人。

 共哉は友達。いつも一緒で言いたいことを言い合える。喧嘩はしたことないけど、共哉と深雪の関係みたいな気の合う優しい友達。

 オリジナルの深雪は作者である自分。物語を第三者の立場から見て、事情の全てを知っている。そんな作者としての自分です。なのでオリジナルとコピーが話すシーンは、物語を書いていた無口が、物語の中で生きていた深雪と会話をしているような気持ちでした。


 他にも「ここはどうだったの?」と聞きたいことがあればコメントしてください。


 ◇◆◇


 「デッド・エンド・ロール〜最狂のタイムリーパー〜」をご視聴いただき、誠にありがとうございます。


 この作品のテーマは「ヤンデレ×タイムリープ」になっております。

 日常シーンとヤンデレシーンとタイムリープシーンのバランスを考えながら書いていました。ですが、思うままに書いていたので、ごちゃごちゃしていたと思います。徐々に狂っていく深雪の姿を表現したつもりですがいかがだったでしょうか。


 この物語について、続編は考えていないです。しかし、入れたかったシーンや書きたかった描写などがあります。お祭りの時に登場した茜をもう一度登場させたかったり。なので、リメイクはしようと思っています。


 ここまでのご視聴ありがとうございました。

 また会える日を心から願っています。

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