第17話 ぼくら、しろうと?
神様からのお願いが『神フォン』を通じてやってきた。
だけどなんだかいつもと雰囲気の違う文面で、なんと写真付。新しい伝達方法かっ!て驚いたが、何だがぼんやりした感じの写真。場所のヒントが一切なく、これがどこのなんなのかさっぱりわからない。
ちょっと新し目の小さなお社といった感じなのはわかるが、全体的にうすぼんやりしてわかりにくい。
しかもメールで『場所はその子がわかるはずだから、一緒に来てね』って最後にハートマークがつきそうな軽い感じの文面が付いている。
「なんか、いつもと違うメール」
「リアルだよ。リアルでやるの?」
「かんべんしてくれよ~」
「嘘よね、田中君。違うといって」
「残念、先生マジでお願いが来ましたよ」
「大国主様の本社にいって、柱揺らしてこようかしら」
「やめてあげてください。倒壊します。揺らしちゃだめですよ」
冗談なのか本気なのか、それとも俺らが時代に合わなくなったのか。
高校生の彼が言っている意味がわからず、仕方ないので隣にいた男に疑問をふった。
「なあ俺、ブレてるように視える?」
「私にはそんな風に見えませんが‥‥‥‥」
いいながらも星崎は先ほど高校生が眼鏡を外していた事を思い出し、彼を真似て自分も眼鏡を外して視た。とたん驚愕し、彼は動揺を隠しきれなかった。
「─────どう?マズイ?」
「‥‥‥迂闊でした。こんな事になっているとは─────抜けかかってます」
「さっきまで黒霧が邪魔して、本星が視えなかったんだろう」
星崎がショックを受けている所悪いが、俺としてはこれは不思議な感覚なのだが、彼女ら先生とその生徒にお任せ気分になっている。
「俺達勇者って言ってたしな~」と呑気にしていると、星崎が本気ですかと聞いてくる。
「彼女たちが言ってたろ?この黒霧の陰に隠れている奴がいる。たぶんそいつのせいで俺の能力が絶賛下降中」
「貴方ほどの人でも、手を焼くと?」
「俺も万能じゃないからね~、そのヤバい本星とやらが、彼らに怯えている気配がするんだよな」
「いっては何ですが、あちらは素人では─────」
「素人で悪かったわね。そちらの都合は知らないし聞かないけどこっちは未成年もいるし、さっさと片を付けたいんで」
─────この場所はどこ?
と、スマホで画像を見せられた。思わず「おいマジか」と声が漏れた。なぜ全く関係のない彼女らがこの場所を、ピンポイントで知っているのか。
「月読様ぽくないよね」とスマホの画面を覗きながら七瀬さんがゆったとたん、『ピロン♪』と鳴り『本日はあまり全開になさらないように』といつもの感じの文面が来た。
あ、月読様だ。なになに?後処理はこちらでやるので、指定の場所へ行ってほしいとのことだ。
全開にしないでねって先生にゆってるのかなぁ? まあリアルの世界でいつもみたいに、ボコボコにして更地にしたらマズイもんな~。
この二人にはある程度?はバレても大丈夫とか教えてくれたけど、さすがに、ねぇ?
俺達、勇者っ!て誤魔化したのもなんかスルーされてるし?いや、深堀されても困るけどね!掘った穴に入っちゃうよ!
スマホの画像を見ても「どこかわかりませんね」と二階堂委員長。そりゃそうだ、俺等には初見だからね。ここはメールの内容に従い案内してもらいましょう。
二人組に画像をどこぞのテレビドラマのワンシーンようにどどんと見せるとかなり驚いていた。
そりゃびっくりするよね~。何故、知っているかだって?そりゃごもっともな疑問だろうけど『神様メール』だからね~。あ、文面は見せてないよ。いろいろ面倒だから。
それより七瀬さんが二人組見ながら、なんかメッチャ鼻息荒い!
今もニヨニヨ表情が緩んでいて、んふ 。んふっとか笑い声がチョイ漏れしている。
いつも委員長と俺とで妄想しているのが、この二人に組に移動しているようだ。─────うん、俺等でなければ無問題っ。
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