五節 一方的な電話

プルルルルルル

 「もしもし、奏太そうた? 今大丈夫?」

 「うん。大丈夫だよ。どうしたの?」

 「ごめんなさい」

 「落ち着いて。何があったの?」

 「今、みおが、あ、同級生の佐々木澪たちがライブをしてるんだけど」

 「うん。色々聞きたいけどそれで?」

 「みおの夢が『仲間ともう一度ライブがしたい』だったの。私が押しちゃったからかも」

 「そっか。ライブ終わったらでいいんだけど。ボタンの封印に向かってもらってもいい? 俺もあとを追う。まだ、明るいけど拓海たくみと一緒にね」

 「え? 怒らないの?」

 「怒らないよ。行ってくれる?」

 「わかった。でも、奏太はどうするの?」

 「少し用がね。じゃあ」

 プツー。


 「奏太なんて?」

 「ボタンの封印に先に向かっててって」

 「そうか。ライブもそろそろ終わるし、みおたちに挨拶したら行こうか」

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