三節 声とスイッチ
[――押したまえ我に近づき少年よ]
のぶといような柔らかく包み込まれるような耳に残るそんな声だった。一体どこから聞こえたんだ?
「やっぱり、お前も聞こえるんだな」
「わー!? 智樹か」
「ここに来ると聞こえる謎の声。俺らの同級生にしか聞こえないようなんだ。皆聞くと、気持悪がって帰っちゃうんだけど。なあ、ちょっと一緒に調べて行かないか?」
俺は納得した。夜に呼ばれたのはちょっとした
「いやだよ」
心の中で笑いながら言った。
「と言いつつも、気になってるんだろ。
またも、心の中で笑いながら付き合ってやることにした。
山に来たのは十年前が最後だろうか。川には
「わぁ。これ。あのときの……」
ここは十年前、俺たちが中学校を卒業したとき、友達の提案で、みんなで埋めたタイムカプセルが埋まってる場所だ。あれは先生に頼み込んで、村から
「智樹~!」
「……」
反応無しか。何かの演出か。スコップまで落ちてるし。掘れってことだよな。
[――押したまえ我に近づき少年よ]
よし! 掘るぞ。ごくり。
掘り当てると、奏太は調査の
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