第3話 選択

「はぁあぁ!?まてまてまてまて!!」

あいつは咄嗟に自分の持っている盾を使いガードする

俺は持っていた刀で、槍を何回も弾き飛ばす

一応武術や剣術などは習っていたからこんなことは容易い

しかし長くは持たないだろう

「早く出口に迎うぞ!!そうじゃなきゃ死ぬ!!」

大声で言うと、ザペルに対抗するように言われる

「なんで死ぬんだよ!!ここはメタバースの世界だろ?!有り得ねぇ!!今怖すぎて盾構えちゃったけどよぉ!」

焦ってはいるが冷静に判断しなければ……

あいつはよく分からない状態のようだし、先に向こうに行かせたい

そう考えながら大きく息を吸い、怒鳴るように言った

「ぜってぇ当たるなよ!!」

とりあえずあいつをこっちに誘導しなきゃだな

「お前は後ろにさがりながら出口に行け!!それで俺はガードしながらそっち行くから!!」

そう言って俺は前に出る

「おいよせ!!お前ガードでもまともに……」

ザペルが言いかけると俺を見て唖然とした

刀だけでザペルに向かってくる槍と自分も自衛出来るほどの実力を見せたからだ

「早く行け!!」

「……わかった!」

その一言

あいつはすぐさま走り出し、出口まで駆け寄る

俺はその間に槍をギリギリで避けながら出口に向かう

しかし、ちらりと後ろを見れば段々と左右から壁が閉じようとしていた

もう閉じる寸前、俺はギリギリで入り間に合った

潰されるかと思ったが、どこにも怪我は見当たらなかったので安心した

奥に進める通路はあるが所々松明が壁に設置されており灯りが目立つ

「とりあえず前に進むしかねぇってか…」

ザペルが盾をしまい終わり呆れた声で言う

「そうだな。けど一応警戒しておけ……さっきみたいに突然来るパターンもあると思うからな」

俺は刀をしまい、前に進む

コツコツと足音が廊下に響く

「なぁ…俺たちどうなるんだろうな。同じ場所に居るって考えると……」

ザペルが歩きながら喋り出す

「さぁな…あいつの言ってる事が正しければ俺たちはとんでもない所に連れてこられたことになる」

これはただの推測にしか過ぎない

単なる遊びならいいのだが

そう思いながら前へと進む

木造でできた扉を見つけ慎重に開ける

そこには何十人ものプレイヤー達が集まっていた

ここからが本番なのかもしれない

彼女の言っていたゲームというものを


その頃モニター室

「あはは!いいねぇいいねぇ…段々と"脱落者"も増えてるし面白くなりそうだなぁ……特にこの2人……」

ニコニコしながらモニターを見る

そこにはFIRSTgameで脱落したものの姿

その次に目をやるのはカインとザペルの2人

ちょうど通路を進んでいるところがモニターに映り込む

「これは楽しくなりそう……ふふふふ……あははははははは!」

笑っている声は部屋に響き渡る

それはいっそう不気味であった


「生きるか死ぬかのこのデスゲーム……!!ゾクゾクするなぁ…ふふふふ」

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