真綿の時間

 究極の「自分の人生生きてない」の総決算。そんで作品の出来が悪いので反省点が長い。

 https://kakuyomu.jp/works/16817330665345581206


《まず、父性小説大賞について》


 あたくし、父子に関してはちょっと一家言あります。好きなゲームはFFX、好きな映画はニューシネマパラダイスとビッグフィッシュ、そしてビューティフルライフも結構好きです。これは完全に癖の世界です。ニューシネマパラダイスは血が繋がってない?ありゃ親子でいいだろ!


 もちろん癖なのでこの企画に参加しなければ!とめちゃくちゃ身構えてしまいました。そして身構えすぎました。反省してます。父子最高。


 そしてこの場を借りて主催者様に御礼を申し上げます。素晴らしい企画をありがとうございました。


【父性小説大賞の講評記事です】

 https://note.com/sywrin/n/n887ddbd1d6e4


《それで、作品のこと》


 これは自主企画でムシャクシャしている時に書きました。多分発端は「ええいどいつもこいつも陰キャ陰キャうるせえ!俺が陰キャを書いてやる!」だと思います。最初のページ書いているときは特に設定とか考えないで書いてました。ただ根暗で他人を見下す中学生を書くことに専念しました。それで1ページ書いて、「さてどうするか」ということでこうなりました。


 ひとつだけ言えるのは、この話は大変面白くなく読んで胸糞悪いということなのですが、こういう話はどこかに確実にあるだろうということです。


 途中まで想定して「どうしようか」となったとき、自主企画のコメント欄に「スカッとしました」というコメントがよく並んでいたのを思い出しました。そこで私は日和ってしまった。「お父さんが出てきて救われる話にすればいいじゃん」と。その結果がこれです。日和ってますね。


 でもこれ、確実に「スカッと」させちゃいけない話だよな、と最後でちょっと未来は暗い暗示をさせました。おそらくネット小説の文脈であれば「悪いのは母親、途中でポッと現れた父は救世主」なんですよ。でもこの作品のキャッチコピーは「誰も悪くない」なんです。マジで誰も悪くないです。


 ネット小説ってすぐ「イイモンワルイモン」を白黒させたがるのですが、現実問題んなわけねぇだろとはいつも思っています。だからモノクロ付けたがるのだろうと思うのですが、ここで完全に母親をワルモンにしてしまうと主人公を全否定することになるんですよ。だから書き方としては全否定できない。


 だけど講評にあった通り、この主人公はかなりおかしくなってます。主人公も本気で神様を信じているわけではなく、主人公が好きなのはあくまでも「神に祈る母上」なんです。つまり主人公にとって神様とは存在しない父親の枠を埋めていました。ある意味この作品は「父親の不在」がテーマでもあります。


 だけど「現実的に肉体的な親もいるだろ」と突きつけられ、改めて自分自身について考えます。その瞬間猛烈に回ってこなかった反抗期がやってくる、というのがこの情緒不安定の真相です。15歳なんて合理的に考えるより「おれのかんがえるさいきょうのいきかた」を貫くような気がするのです。主人公の心変わりは今まで抑圧されてきたものが弾けるイメージですね。女性ものだとそういうキャラクター結構いますよね。ありのー、ままのー、という感じ。


《書き直しのこと》


 とにかく最大の反省点は母親の宗教とバックボーンがふわっとしてしまったこと。主人公の一人称だとその不気味さは出るけど、この辺の説得力に欠けてしまう。更に、やっぱり「父親出てきてハイ解決、はねえだろ」はその通りです。はい、解決しません。


 そういうわけで、この話はもう一度、しっかり設定を練り上げて尺をとって書き直さないといけないです。具体的には母親が入信するきっかけ、父親の離婚、そしてこの話の後の主人公の真の救済です。いろいろ考えましたが、父親ひとりだとこの主人公はやっぱり救われないです。ただ自分で自分のことをしてみよう、と思っただけです。


 そして主に「ご都合主義」になった部分を回避するために、キャラクターに説得力を持たせるために母親がカルトに入信するところから始めようと思ってる。そうすると育児中の暗闇みたいなところから始まるね。そこにいい顔して忍び寄ってくるカルトの気配。カルトの勧誘はガッチリ書きたいなー。


 更に「父親」と1回絶対破綻するので、出来ればそこまで書きたい。それからどうするのか、というのがまだ出てこないけど、きっとそのうち着地点が見えると思う。


 カクヨムでやるのもいいけど、これは公募とか別の投稿サイトに持っていくのもいいかもしれないなぁ。ステキブンゲイとか、どうなんだろう。なろうでこういうのはウケないだろうな。こう言う題材でウケ狙うわけでもないし、次に行きましょう。


《余談》


 最後に、「父親」に関してはなんの制限もない完全趣味の連載のほうでかなり好き勝手やってます。愛されるお手本のような父親に憎悪されるべき父親、「自分の子供」という存在に翻弄される父親など割と父親率高く、種類も豊富です。とりあえず、父親属性ある人は最後の最後で絶対泣かせる自信はあります。以上余談でした。

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