マナビスト

 三題噺「釣り」「フルーツ」「雑誌」で提出しました。「釣り」を「釣り記事」の意味で想定して、なんか怖いキャラが出来ました。


https://kakuyomu.jp/works/16817330664755424843


 主人公は「ただアイスを買いに外に出ただけの人」です。犬も歩けば棒に当たる、失踪した昔の友人と再会します。これが「昔の友人」というのが結構大事で、こういう人は大抵現在はこんなことになってるので友達がどんどんいなくなります。そしてどんどん過去の顔見知りのところへやってきます。


 そして昔の友人は、このエッセイのタイトル通り「自分の人生を生きていない人」でした。一人称のため主人公からは彼の人生はほとんど語られませんが、彼は彼なりの苦労があったはずです。そこからはっちゃけて、こうなった。


 ミヤシタは引っ込み思案というより、束縛の強い母親の顔色を伺って生きてきたキャラクターの印象です。全て母親の言いなりで高校まで行って力尽き、引きこもっている最中にマナビストに開眼。それから「ネットde真実」にのめり込み、元から母親と折り合いの悪かったところから強烈なミソジニー(女性嫌悪)を発症。家を飛び出して現在に至るという訳です。


 すごい偏見なのですが、世の中のミソジニーって母親との関係構築に失敗すると発生している印象があります。適切な母親との距離を築いている主人公とミヤシタの対比なんかも一応盛り込んであります。


 そういうわけでミヤシタが叫ぶ「(自主規制)」には女性器の名称が入ります。彼は自身を認めなかった女性を憎悪し、女性であると言うだけで人格を認めず性欲処理のためにしか女性を見ることができません。なんてこった、というところですがこれはミヤシタのような男性に限らず女性にも起こりうることです。だいたい発端は「自身を認めてもらえなかった(加害された)」というところにあるみたいです。


 ちなみにラストなのですが、あれは島村マナブが「俺たちの幸せを壊そうとしている悪いやつがいるぞ、みんなでやっつけろ」とファンネルを飛ばした結果です。より主人公たちにダメージを与えたものがマナブさんから褒められます。マナブさんめちゃくちゃ怖い。


 実はこの「島村マナブ」のキャラはとても気に入っていて、今後どこかで再登場させたいなと思っているくらいです。新興宗教というより「意識高い集まり」のモチーフです。どんな場面で再登場させるのかは未定ですが、きっとろくでもない話なんでしょう。それでは次行きます。

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