第34話

「尚巳、モデルの写真。なんだよ、かわいいし。というか…高校生くらいに見えた」


帰り道に話す。


「そー?」


「あーよかった。モデルなんてしてたら尚巳に変なのがつきまといそう」


「なにそれー?」


「そうだな、学校ではあんまり結ぶのは…体育のときは邪魔そうだけど、いいの?」


「運動できないし、いいや」


「気が向いたら結んでやる」


「はーい!冬、ありがとう」


「いや。いいよ」


どんな髪型も似合ってる。


「うわ、尚巳」


「あーー!おにーちゃん!」


兄と同じ制服だ。

…これは、尚巳の兄?

尚巳のお父さんにそっくりだけど…


「お前、どこ行って…?」


「あ、あの、はじめまして。金井友冬です」


「尚巳の彼氏なんだよ」


くっ!紹介してもらえるなんて!もう幸せ!


「え、金井?」


「なーに?」


まじまじと見られる。お兄さんは、綺麗な顔立ち。というか、目がでかいし…美人?


「君はおにーちゃんいる?春っておにーちゃん?」


「え?春?あ、兄です」


「そっかこの間のおにーちゃん。えー!?おにーちゃんと友達?」


「尚巳うるせ。春とは友達だよ。へー、弟いたとか、初耳。似てるな~」


「冬のおにーちゃんはかっこいい感じだったよ?ね、冬とは似てるかな?」


「尚巳てめー言い方考えろよな。ったく。ふーん、春の弟か。冬?そう呼ばれてる?」


「あ、はい…」


「ふーん、で?…尚巳の彼氏ってまじー?」


「んもーおにーちゃんったら話し聞いてる?」


「いや、お前に聞いてねぇよ。尚巳なんかバカなのに、君は…どういう?いや、優しい子だもんなぁ」


「え、あの」


「いやいいよ気にしなくて。学校で春に聞こうかな」


「え?今聞けばいーよ」


「ばか、お前じゃねーから本人に聞くとかないわ。おい、尚巳、帰るぞ」


「えーなんなのー。じゃーね冬」


「あぁ、うん」


2人で一緒に帰ってしまった。

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