第31話

授業中だけど、紙が回ってきた。


金井は尚巳の顔だけ好み


なんのメッセージだよ。ほんとガキ。なんで俺にまで回すんだか。金井は秋もなんだけど?


授業終わって尚巳と一緒に帰る。


「冬ー授業中にね」


「紙だろ?」


「うん、誰が書いたのかなー?」


この純粋な質問。どう考えても女子だろ。


「しらん」


「嫌がらせなの?」


「もちろん顔は好きだし。嫌がらせではないな」


「顔だけーって?他になにがあるの?」


「足?手?」


「変なのー」


「尚巳は全部かわいいのにな」


「冬、よく言ってくれるよね!嬉しい」


「ふーん、俺はその笑顔も好き。かわいい」


「…!道でチューしちゃった」


「路チューだな」


「学校でも手を繋いだらみんなびーっくり?」


「そりゃ、そうだ。仲良くなさそーに見えてるらしいから」


「じゃあさ!仲良くしてみる?」


「ばーか恥ずかしい」


「尚巳がくっついたりすればいーじゃん」


「だめだめ。みんな尚巳の胸があたってるって騒ぐ」


「当たるもん」


「そりゃそうだけど。羨ましいわけさ」


「冬は当たったらやだ?」


「嫌なわけない。こう、学校でそんなことしてるやついないじゃん?だから、浮くわけで。だから…みんなも彼女作っちまえ!」


「もー冬ったらーなにそれ!そんなことできるのかな?」


「なんてね。尚巳、うちついたよ」

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