第25話

その辺のベンチでしゃべる。


「金井くんは、塾三昧?」


「まぁ、そうかもね」


「俺とも遊んだよ!」


「へーそう」


花田さん、辰巳に冷たい。


「真矢は稲賀さんと遊んだ?」


「それが、お勉強忙しいって。だからぜーんぜん遊んでない。店番ばっかりー」


「俺も手伝おうかー?」


「辰巳はボランティア忙しいでしょ?」


「楽しいけどね」


忙しいほどやってるのか?辰巳のことはまだよくわからないことが多いなぁ。


「おい!辰巳!見ろ」


そんなところにぬいぐるみを持った亮介さんが登場した。


「おー亮介それ取ったの?すげーや、土産にしろよ」


「土産?誰に」


「孫に」


「…それは甥っ子だろ。全く、辰巳はふざけたこと言うなぁ」


「亮介のほうがふざけてるよ?」


「はいはい。こんなとこでだらけてないでゲーセン楽しめよな」


この亮介さんと辰巳の関係はよくわからないが、仲は良さそう。


「辰巳、そろそろ帰るぞ」


「ok!みんな帰ろー!解散!」


辰巳は花田さんじゃなく、亮介さんと帰った。


「あの人なんだったんだろう…?」


「え、聞いてない?辰巳の隣の家のおじさんだってー」


「…隣の?」


親戚じゃないし。よく連れてきたなぁ。


「花田さん、一緒に帰らなくてよかったの?」


「別に?金井くんは、歩いて帰るの?」


さすが花田さん、鋭い!


「いや…迎え呼ぶ」


「そう。じゃ、先帰る!」


花田さんはたくましいなぁ。変に気を使わないし。だから、気兼ねない。

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