第13話

「なにされた?大丈夫?」


なぜか俺の心配をする秋だ。俺をしきりに触る。


「なにもされてない…あれ3年のバスケ部の先輩かも。でも尚巳を…」


「え、尚巳ちゃんになにかした?」


「いや、…むかつくこと言った」


「はぁ?どんなこと?」


「…やらせろって」


「ありえねぇ。もう手伝わねぇ!冬は、なにか言われた?」


「いや…言われてない。全然大丈夫」


秋は俺を心配してる。試合そっちのけで走ってきた秋は汗だくだ。秋に迷惑かけちゃったな。尚巳はなぜかそれを見てるだけ。


「仲良しだねー」


心配したけど、本人はいたって通常運行だ。


「金井くん!試合始めるよー!」


「え?試合?」

「あ、そうだったー!はーい!」


そうか秋のこと。


「なんか応援団帰っちゃったから、冬、応援してよ」


「いいけど」


「秋くん頑張れ!フレーフレー!」


運動会的な応援をする尚巳だ。


「オッケー!行ってきまーす」


秋は颯爽とコートへと戻った。

彼女探しはこれでもうおしまい。尚巳に、秋は告白されるのを待っているからほっといてほしい、と言うとそうなんだ!で終わった。

あっけな。

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