第9話
「抱きつくの誰にでもすんなよ」
「しないってー」
「尚巳」
「なーに?」
「落ち着く」
ずっと肩に寄り添ってたい。
「冬?」
「友達と遊んでばっかりは嫌だ」
「えー拗ねてる?」
「勝手に予定組んで。ひどいな」
「ごめんね」
「のんちゃんを大事にするのはわかる。でもクラスの友達はいつも一緒だろ?俺より」
「もーあまえんぼさん。尚巳とそーんなに遊びたいならそー言ってよ」
「やだ。言えるわけねーよ。恥ずかしすぎ」
「冬は照れ屋さんだね」
あーあ、尚巳から離されちゃった。
「それは…ん」
「冬はかわいいところあるね」
「いや、い、いきなりキスすんなよ、ばか。かわいいじゃねーか」
「かわいい?ありがとう!もっとキスしたら嫌?」
「嫌じゃない。てか、尚巳からしてくれるとか…」
「なに?」
「…かわいすぎるじゃん」
「嬉しいー」
今度は飛びつかれた。俺の力はなくて床に倒れた。
「こ、こら」
こういうのはよくない。密着してるの誰かに見られたらまずい!
「重い?体重増えてるかも!」
「軽い。胸は重い」
起き上がり、先程の定位置に戻った。
「痩せないもーん」
「痩せなくていい」
「うん、わかったー」
素直に聞く尚巳をいつまでも眺めていたい。そう思ってしまう。
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