尚巳の家

第7話

「冬ー!おはよ!」


「おはよ」


朝から尚巳から電話が。


「ねーデートいつする?友達と遊ぶ約束しちゃうから早く決めてー」


「え、待って、そんなすぐには決められ…」


「ぶーゲームオーバー!明後日くらいしか空いてないよー」


「なにそれ!ひど!」


人気者めー

そういえばクラスのやつらと遊ぶ約束してた。今日だったな…忘れかけてた。


「冬、尚巳と付き合って楽しいか?」


「まあ、普通に」


ファミレスで粘る中学生の俺たち。店には迷惑かけてそう。うるさいし。


「あいつうるさくね?」

「常にぺちゃくちゃしゃべるし?意味わかんねーこと言うし?」


「あーうるせ」


「なんだよ冬」


「しゃべるのはみんな同じだろ」


「くー冬は頭はいいやつだな!」


意味わからん!

もう帰ろうかな…飽きたし。


「冬ー」


あれ、尚巳!?

友達2、3人といる。が、そのままこっちに来た。


「なんだよ尚巳じゃん」


「冬、今空いてる?」


「なんでそんなこと聞く?」


「おい冬は忙しいんだぞ?」

「俺らと人生語ってんの」


「じゃーいい」


「いや待て。空いてたらどうすんの」


「おしゃべりする。だって明後日しか遊べないから」


「尚巳。友達との遊びはいいのか?」


「うん。朝遊んだし。冬はここじゃ話してくれないから外で話そうかな」


「はー冬、こいつの長話を聞いてもな」

「うるせーだけだ」


「尚巳。わかった、外行こう」


「はー?冬まじなのか」

「金井、おいおい」


「わかったよー」


自分の金を置いて、尚巳を連れて外へ出た。尚巳の友達はファミマレスに置いてきた。しばらく歩いて公園まで行こうかとしていた。


「冬よかったの?みんなもーっと話したそうそーだったよ?」


「いい」


「冬がいつももっと話してくれたらいいのに」


「ごめん。人前でそういうのあんまり、苦手だし…」


「いいよー。あー秋くんサッカーしてるー」


どこかのグランドで秋がサッカーしてる。なにしてんだか。


「スポーツ得意だしな」


「へーすごーい!」


「尚巳、またうちきてよ」


「連れてって」


かわいいな。いきなりの話題でもちゃんと反応してくれる。


「尚巳の家はだめだよね」


「いいけど?パパうるさいよー」


うるさい?親バカ?


「友達呼ぶ時めんどくさくてーあんまり家はみんな来れないよ?」


「なんで?めんどくさい?」


「冬に話したよね?」


「あ、実家で仕事してる…って、いつも家にいるってこと?」


「うん」


娘に近づくな?とか?

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