#22
俺はセランちゃんにゲス顔で近付いた。
「なぁなぁセランちゃんさぁ。助けて貰ったのにアリガトウはいサヨナラで終わりなんて、そんな都合のいい話は無いよなぁ?やっぱり助けて貰ったからには払うもん払ってもらわんとなぁ?」
「ひうっ……!で、でも、ぼくホントにお金無くて……!」
「そっか。お金は無いか。それなら仕方ないね」
ササッとセランちゃんの隣に移動。肩に腕を回す。ビクリと跳ねてカチコチに身体が硬直するセランちゃん。そんな金髪少女の耳元で囁く。
「お金が無いなら身体で払って貰おうか」
「……ッ!」
ニチャとイヤらしい笑みを浮かべながら俺はセランちゃんにそう告げた。少女の顔は絶望に染まる。溢れそうだった涙の一雫が目元から流れ落ちた。
「か、身体で……って……」
「セランちゃんさ。俺らのパーティーに入りなよ」
「そ、そんな……」
「まさか断るなんてことはないよね?助けて貰っておいてお金払えないなら、もう身体で払うしかないよね?そうだよね?だから俺らのパーティーに入ってセランちゃんには働いてもらうしか無くない?」
「えっ……あ、あの……でも……」
「ね?(圧)」
「ひうっ……!?あっ、は、はいぃ……!パーティーに入ります……!」
俺の圧に簡単に屈したスライムにすら勝てないポンコツ2代目セランちゃんはパーティー加入の意を示した。
よしっ。女の子の追加メンバーゲットだぜ!
「ちょっと待ちたまえよキミぃ!ボクはそんな雑魚をパーティーに入れるなんて認めないぞ!どうみたってなんの役にも立たないポンコツじゃないか!」
しかし、初代スライムにすら勝てないポンコツクソザコナメクジで現状、今に至るまでクソの役にもたたず、足を引っ張ることしかしてないアリル様がセランちゃんパーティー加入に待ったをかけた。
「まあまあ落ち着けアリル。よく考えてみろ。ここでセランちゃんの有り金巻き上げて身ぐるみ剥いでポイッしちゃうのは簡単だ。だが、それだとそれで終わりだ。もっと賢く生きようぜ。ここでセランちゃんの身柄を確保して今後もパーティーの為に働いて貰えば、骨の髄までしゃぶり尽くせる。長期的に見ればそっちの方がお得だろう?」
「確かに……それもそうだね。よし採用しようじゃないか!」
ちょろ。秒で言いくるめられるポンコツちゃん。あっさり手のひらクルー。最近はもうアリルの扱いにもだいぶ慣れてきたところあります。
「そんなわけでこれからヨロシクな!セランちゃん!」
「ふんっ!まぁ精々ボクのために馬車馬のように働くことだね!」
「は、はひっ……」
こうして俺たちのパーティーに新たな女の子が加わるのであった。
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