#20
薬草採取に行けば雑草しか集めてこず、ポーションを作らせれば素材を無駄にし、スライムを倒しに行けばスライムと遊び始める。
そんな具合にアリルにただただ足を引っ張られながらも、一定数の依頼をこなして、なんとかランク3に上がることが出来た。
これによりはじまりの草原の第2エリアが解放され新たな依頼を受けられるようになる。
・赤キノコ採取
・ポーション納品
・ベヒー討伐
・獣肉納品
以上4つが新たに受注出来る依頼である。
始まりの草原の第2エリアでは新しく赤キノコが採取でき、ベヒーと呼ばれる豚のモンスターが出現するようになる。
赤キノコは下級ポーションと混ぜて調合することによって、下級ポーションよりも回復量が増えたポーションとなる。
ベヒーはどっからどう見てもタダの豚。倒すと食用の獣肉がとれる。味はあんまり美味しくないらしい。まだ食べたことは無い。
新たに増えた依頼はこれらに対応した依頼ってわけである。
早速とばかりにポンコツクソザコナメクジちゃんと共にはじまりの草原第2エリアを目指す。
その道中、いつもの草むしりしたりスライムと戯れる場所に通りかかった。
「えいっ!えいっ!」
そこでスライムと戯れる1人の金髪少女を発見した。
木の枝をヘロヘロと振り回してスライムを一生懸命叩いている。しかし、金髪少女の力が余りにもか非力だからか……というかそれしか考えられないのだが、スライムはまったく動じてはいなかった。既視感。
スライムの反撃!体当たり!
ぽにょん!
「きゃんっ!?」
金髪少女は倒れた!
スライムWin!
スライムの死体蹴り!
ふにょふにょんっ!
「あぁ……や、やめてくださぃい……酷いことしないでぇ……!」
スライムと戯れながら息も絶え絶えといった様子の金髪少女。やっぱりすごく既視感があります。なんかいつも同じ光景を見てる気がする。デジャブ。
「あははっ!見てよアレ!あの雑魚、スライムなんて雑魚モンスターに負けてるよ!初心者かな?まったく無様だね!」
スライムに負けた金髪少女を指差して大笑いするアリル様。おまいう。いつものアリルちゃんとまったく同じ感じなんですけど、それでよく人の事を笑えるなこのクソザコちゃんは……。人の振り見ても我が振り分からず。そんなところもわりと可愛いアリル様は俺の嫁。
「あぁ……誰かぁ……助けてくださぃ……!」
助けを求める金髪少女。女の子に助けを求められたのなら助けぬ訳にはいくまい。
俺は金髪少女の元に駆けていき、そしてスライムを蹴り飛ばした。
ハジけるスライム。その破片は見事に金髪少女にぶっかかって金髪少女の顔を汚した。
「ふぇえ……ぬるぬるしますぅ……」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます