#19



「いいか。よく聞けアリル。今日の報酬を2人で分けるとお互いパン1個とボロ宿1泊分の額になる。だがしかし、ここでアリルがオレが借りた部屋に一緒に泊まるとするとアリルの宿代が浮く。そしてその浮いた金でパンが2つ買える。お腹いっぱい食べられる」


「ぐぬっ、ぐぬぬぬっ……!だが、キミはボクが寝ている間にいやらしい事をするじゃないか!そんな変態とまた同室で一夜を共にするなんて気が気じゃないよ!」


「アリル様は今日はいっぱいがんばってお腹すいてるだろ?パン1個でお腹いっぱいになる?パン3つ食べてお腹いっぱいになりたくない?」



ポンコツちゃんは頑張っていたと想う。貢献度的には完全にマイナスでいない方がいいまであったけど。



「わ、わかった……」



そしてアリルはパン3個の誘惑にアッサリ屈した。はい。同室で一夜をすごす許可を頂きましたー!俺ちゃんの夜食はアリルちゃんで決まりだね♡



「ど、同室することを許可はするが、ボクには指一本触れるんじゃないぞ!もし指一本でも触れたなら蹴り飛ばすからな!」



蹴り飛ばす?ああ、貧弱スタンプマッサージね。おっけーおっけー。いくらでも蹴り飛ばしてくれ。アレ丁度いい力加減で気持ちよくて興奮するんだよね。






「パンおいしい!やっぱり自分で稼いだお金で食べるパンは格別だね!」



両手にパンを持ち満面の笑みでパンを頬張るアリル。普段はクソ生意気なメスガキだが、食事中は上機嫌で年相応の可愛らしさを発揮する。普通にかわいい。


その自分で稼いだ金とやらは、実質、俺が稼いだ金というのは置いとく。同じパーティーな訳だし、俺が稼いだ金はアリルが稼いだものだと言えないこともないし。言うだけ野暮ってもんだぜ。




食事を終えたらあとは寝るだけ。昨日と同じボロ宿の一室を借りて、2人の愛の巣にインしてみる。



「すやぁ……」



ギャーギャー騒ぎながらベットを占領し、寝ている間に変なことするなだ、なんだと俺に文句を言っていたアリルたったが、ベットに横になるなり秒で寝息を立てた。寝付き良すぎる。


さて、俺も寝るとしよう。


何食わぬ顔でアリルが寝ているベットに入り、添い寝。アリルを抱き枕替わりに抱きしめて寝た。アリルちゃんあったけー。



「おっきなアイスクリーム……ぺろぺろ……」



朝。またアリルが寝ぼけて俺におはちゅっちゅっしたのは想定内。






  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る