#08
「うぐっ……ひっく……!わ、わかったよぉ……えっぐ……キミと……ぐすっ……パーティーを……ずびっ……組めばいいんだろぉ……?」
「ありがとうアリル!これからヨロシクな!」
「もおぉ……なんなんだよぉ……」
そんな感じでアリルとパーティーを組むことになった。
わーい!女の子とパーティープレイだ!ひゃっほう!
「それじゃ早速冒険者ギルドに戻ってパーティー登録しよう!」
「うぅ……なんでこんなことに……。どうして偉大なるボクがこんなクソザコとパーティーを組まなきゃならないんだ……」
「もう言質とったからな?いまさら止めると言ってももう遅いからな?」
「もう……!わかってるよっ!」
プリプリと怒るアリル。なんかアレ。必死で威嚇するハムスターみたいな感じ。怖いより可愛い。
「パーティーを組むからにはボクがパーティーリーダーだからな!リーダー以外やらないからな!それでもってキミはボクの下僕だからな!いいね!?」
「ははー!アリル様のおうせのままに!」
女の子の下僕。やだ。なにそれ甘美な響き。興奮するわ。
「パーティー名とかどうする?」
「そうだね……アリル様と愚鈍な下僕達なんてどうだい?」
「カスみたいなネーミングセンスしてんね。おっけー!それでいこうアリル様」
「いや、やっぱり待ってくれ、もう少しカッコイイ名前の方がいいかもしれない……そうだね……エピックオブレジェンドダークネスシュバリエ……ふむっ、ボクながらなかなか素晴らしいネーミングセンスだね」
「知ってる単語並べた感が強い。それホントにカッコイイと思ってる?なんにしても、おっけー!それでいこうアリル様」
「ではパーティー名はエピックオブレジェンドダークネスシュバリエだ!これで決定!あとから変更は認めないからね!」
これからパーティー名を名乗る時なんちゃらダークネスって言うのか……いやまぁリーダーはアリルだし、名乗りは嬉々としてアリルがしてくれるだろうからいいか。そりゃもう威風堂々と高らかに、この痛々しくて恥ずかしいなんちゃらダークネスって言うだろうね。でもワンチャンあれか。俺は異世界人だから感性がズレているだけで本当になんちゃらダークネスがカッコイイ名前の可能性もあるか?
パーティー登録の際、ギルド受付のお姉さんは必死に笑いを堪えていた。どうやらオレの感性は異世界でも普通のようだ。
「おい見てみろよ、あの新人2人」
「あん?あのガキがどうかしたのか?」
「オマエ知らねぇの?アイツらが最近噂のなんとかエンジェルだよ!」
「あー!それなら知ってるわ!確か……ピッケルなんとかエンジェルなんとかって奴だろ!」
「そう!それそれ!よくもまあ、あんな小っ恥ずかしい名前でパーティー登録したよなアイツら!」
「ホントそれな!アレだろ?期待の大型新人って奴じゃね?」
「そうかもなぁ!」
「「だはははははっ!」」
周りからめっちゃバカにされた(草)。
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