#07



頭を踏まれてお願いしてアリルとパーティーを組むことになった。



「それじゃこれからヨロシクな!アリル!」


「えっ、普通に嫌だけど?なんでボクがキミみたいな変態とパーティーを組まなければならないんだい?」


「足も舐めたし、土下座したし、頭を踏ませたし、この後に及んでまだごねるのか!?次はいったい何したらいいんでしょうかアリル様!」


「それなら目障りだからボクの前から姿を消してくれるかい?キミみたいな変態を視界に写してるだけで目が腐り落ちてしまいそうだよ」



驚きのクソ野郎だな、このガキ。


でも女の子だ。ツンケンしてるのもある意味では可愛と思えないこともない。


しかし、どうしたものか。ここでハイさよならするのは勿体ない。だってクソ野郎だけど女の子だし。


こうなったら……。



「何をボサっと突っ立っているんだい?ボクは目障りだから視界から消えろと言ったんだよ?それともなにかな?キミは人の言葉すら理解出来ない程の低脳なのかな?そうだね。まぁ、みるからに頭が悪そうな顔面をしているし、それも当然と言えば当然かな!」


「…………」


「仕方ないねぇ。キミのような低脳にも分かるようにキミが今からどう行動すればいいか、この偉大なるボクが指示を出してあげようじゃないか!まったくキミみたいな脳みそが足りていない低能がこのボクに手を煩わせるとは本来ならば極刑ものだよ?その命を持って償う大罪だ。それをキミはちゃんと理解しているのかい?」


「…………」


「…………お、おい。何を黙っているんだい?何か言ったらどうかな?」


「…………」


「……ふ、ふんっ!ど、どうやらボクの口舌にぐうの音も出なくなってしまったようだね!そしてどうやら人の言葉も忘れてしまったようだ……!ボクを前にしたら仕方の無いことではあるとは言え、ボクがこうしてキミに語りかけてあげているこだから、何かしらの反応を示すのが礼儀ではないかな?まったく、礼儀のひとつも知らないとは、キミはよっぽど育ちが悪いようだ!」


「…………」


「…………」


「…………」


「…………な、なんで何も喋らないんだい……?」


「…………」


「うっ……」


「…………」


「な、なにか喋りたまえよぉ……」


「…………」


「う、ううっ……!」


「…………」



じっと黙ってなにも喋らず、ただ無言でアリルを見つめ続けた。無言の圧力。


結果、アリルはちょっと涙目になった。


アリル、あまりに貧弱!



「うぅ……なんで何も喋らないんだよォ……ボクを無視するなよぉ……うっ、うぅ……」



そしてアリルは泣いた。




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