#04
スライムを倒してやった。
「はぁ……はぁ……。まったくキミのせいで散々な目にあったじゃないか……!キミィ!一体この責任をどうとるつとりだい!?」
めっちゃキレてるじゃん、このクソガキ。
そう言われてもねぇ。俺なんか悪いことした?助けてやったよね?なんでこんな言われてんの?
「キミ、見たところ冒険者に成り立ての新人だね?まったくこれだから初心者は……。こんなヤツを冒険者にするなんてギルドの方針は一体どうなっているんだ!だいたいキミもキミだぞ!どうせしょうもない夢を抱いて冒険者になったクチだろ?キミみたいな凡夫がこの先続けて行けるほど冒険者は甘くはないよ?野垂れ死にたくなかったから農夫に転職して大人しく畑でも肥やしていた方がいいと思うんだが?身の程を弁えたまえよ!」
ゴンッ!
「ぷぎゅっ!?」
おっ、変な声出たな。
いけないいけない。イライラしすぎてつい手が出てしまった。ガキに強めのゲンコツくれてやった。
「き、急にナニをーー」
「うるせぇクソガキ!人の事を勝手に散々言いやがって!こっちはテメェが「助けてぇ!」って情けない声出してたから助けてやったんだろうがっ!それをなんだぁ?礼を言う所か文句垂れ流しまくるとか、どういう神経してんだよ!そこは助けてくれありがとうございますだろうがバカがっ!人にちゃんと礼も言えないのか!どんな教育受けたらそんな風に育つんですがねぇ?親の顔が見てみたいわっ!」
「お、親は……。ボクに家族は、いない……」
「あっ、そうなん……?なんかゴメン」
変な地雷を踏んだ。一瞬にして気まずい空気になったんだけど……。
「う、うぅ……ぐすっ……」
ガキは泣き出した。コレ、アレだ。踏んじゃいけないネタだったっぽい。やらかしたー……。
「ま、まぁ……ほらっ……元気出せよ」
泣きじゃくるガキの背中を撫でて慰めてあげる。
「パパとママはボクを庇ってモンスターに……ーー」
そうか、それでコイツは両親を失って……。それで独り身となって生きていくために冒険者になったとかそんな感じか……。なんつー重い過去を背負ってるんだコイツは、もっと優しくしてやろうそうしよう。
「ーー立ち向かって行ったんだけど返り討ちにあってボコされて泣きながらボクを置いて逃げて消息をたったんだ……!」
「驚きの糞ったれですねっ!?」
クソザコの親はクソザコってハッキリわかんだね。この子にしてこの親あり的な。
「パパぁ……ママぁ……ボクを置いてかないでよォ……うわぁぁんっ!」
トラウマを思い出してガキはさらに泣いた。そりゃ親に置き去りにされてトンズラこかれたら泣きたくもなるでしょうね。思ってた重い過去とはなんか違ったが、コレはコレでつらそう。可哀想になってきたわ。
「まぁまぁ、そんな泣くなって……。糞親のことなんて忘れてこれから強く生きていこうぜ?ほら、泣きやめよ。オマエも男だろ?」
「ぼ、ボクは女の子だぞっ!」
えっ、そうなん?
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