#03
「やっ、やめろぉー……」
向かった先でスライムにボコされてるガキを発見した。
なんだよ男かよ。ガッカリなんですけど。
てか、なんでこのガキはスライムにやられてるの?
蹲ったガキにスライムがぽよぽよ体当たりをしかけている。どう見ても痛そうには見えない。なんだったらぽよぽよされて気持ちよさそうまである。
しかし、ガキは涙目である。
「誰かぁ……助けてぇ……」
そして、情けない声で助けを求めている。
ツッコミどころが満載だ。
……とりあえず助けてやるか。
「せいっ!」
強めに蹴り飛ばすと、スライムは弾けて飛び散った。討伐完了。
「ふぇえ……?」
飛び散ったスライムはまるで顔射後のようにガキの顔を汚した。サービスシーン。いや男の液体まみれ姿とか誰得やねん。
「うへぇ……スライムでベタベタだよぉ……。オイ!キミ!なんてことをしてくれたんだい!まったく!」
助けてやったのになんかキレられたんですけど……。
「は?オマエがスライムなんて雑魚にヤラレて助けを求めてたから助けてやっただけだろ!」
「ぼ、ボクは助けてなんて一言も言ってないぞ……!」
いやめっちゃ言ってたけど……?
「だいたい……!このボクがスライム程度の雑魚敵を相手にして他人に助けを求める訳が無いだろう!」
「お、おう……」
「本当にキミは余計な手出しをしてくれたね!あのスライムはボクの獲物だったんだ!それをキミが勝手に倒してしまった!獲物の横取りはマナー違反だろう!?」
そりゃそうかも知れないけども……。えっ、なんで俺今こんな責められてんの?意味わかんないんですけどイラッ!
周囲確認。
あっ、スライムみっけ。
ダッシュしてスライム捕獲。
捕獲したスライムをガキに向けてリリース。
「ほらっ!代わりのスライム連れて来てやったぞ!」
「のわぁあああっ!?!!」
ぺちょんぺちょんとスライムの体当たり攻撃!
ガキは情けない声を出して倒れた!
スライムの勝利!
ざっこ……。
「やーめーろー……!」
弱々しい声を出すガキにスライムはぷよぷよと体当たりを繰り返している。もうやめて!その雑魚ガキのライフはゼロよ!知らんけど。
「おい!キミぃ!このスライムはキミが連れてきたキミの獲物だろっ!他人にモンスターを押し付けるのはマナー違反だぞ!」
「いやオマエ……。獲物取られたって文句言ってたから代わりの連れてきてやったんじゃんか」
「そんなことボクは頼んでないよ!勝手なことをしないで貰えるかな!?もぉ!さっさとこのスライム倒してくれよォ!」
はいはい。やっぱりスライム如きに勝てないクソザコナメクジじゃねぇか、このガキ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます