#02



そう簡単に仲間が見つかったら苦労してねぇんだわ!バカがっ!


そこらの可愛い女の子に声をかけるはかけた。


だが、中身は異世界転生おじさん、見た目はまだガキンチョの俺。軽く話しかけたら「なんなんこのガキ生意気じゃね?シカトしよ」ってだいたい相手にしてくれなかった。


クソが!こっちはもう通算三十路だっつうの!もう大人じゃボケ!後をつけて物陰でゴブリンに扮して襲ってやろうかぁ?あぁん?


と、心の中でイキる、俺氏。実際に実行する度胸は無い模様。ヘタレちゃうぞ。モラルを守ってるだけだし。


仕方ないので1人寂しく草むしりーーもとい薬草採取のクエストを受けて近場の[はじまりの草原]にやって来た。


雑魚的のスライムしか出ない初心者でも安全な場所。代わりにここで採れる素材は薬草オンリー。旨みも何も無い。


薬草は雑草の如く、そこらかしこに生えていた。


でも、薬草採取クエは納品数が薬草30本と地味に多い。


薬草30本を調合してやっと下級ポーションが出来るんだとか。



「だっる……」



だが仕方ない。冒険者なりたて初心者は例外無くこの依頼をこなさなければならない決まりらしい。


薬草採取→下級ポーション納品→スライム討伐


ここまでが初心者に義務化されている。


この3つの依頼をこなすとランクが2に上がり好きな依頼を受けられる。


とはいえ、ランク2じゃこの3つのウチのどれかしか受けられないけど……。


何度か依頼をこなしてランク3に上がるとまた別の依頼が開放される。それを繰り返していく感じ。


ちなみにランクの飛び級はなどは無い。いくら強い敵を倒しても依頼を受けていなければランクは上がらない。


ルールを守ってコツコツ地道に頑張れがギルドの方針である。


長い物には巻かれる。ギルドの方針に従って俺もコツコツやっていこう。


黙々と薬草を毟っていく。



「ーーーーろぉ……」



……ん?今なんか人の声した?



「ーーやーめーろぉ……」



あっ、やっぱり人の声だわコレ。



「ーーたすけてぇー……」



しかもなんか助けを求めてるっぽい。


いや、でも、待って?


……この[はじまりの草原]で助けを呼ぶ?


ここ、強めに蹴りを入れれば誰でも倒せるクソザコのスライムさんしか出ないのに?


ま、まさか……!なんかイレギュラー的なアレ!?強い敵が迷い込んできたとかそんな感じか!?


そして襲われてるのは女の子で助けたお礼にスケベな展開になったりします!?


よし行こう!スグ行こう!


俺は声のする方向に走った。





  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る