第4話 睡眠妨害
神輿で軽いパレードをした翌日、約束通り国王に凱旋パレードと祭りを開いてもらった。
俺が倒したあのトカゲはかなりヤバい魔物だったらしく、それを倒した俺は英雄扱いでそれはそれは大層なもてなしを受けた。
一国の王が用意しただけあって質も量も騒がしさもこの俺に相応しく、俺は満足いくひと時を楽しむことができた。
「さて。そろそろ寝るか」
祭りも凱旋パレードも終わり、すっかり日を跨いだ時間。俺はそろそろ寝ようと用意された最高級のふかふかベッドに寝転がろうとする。
が、強く叩かれる扉の音で俺の睡眠は妨害されてしまう。
この気配はクリシアとかいう女のものか。全く応答するのも面倒臭い。無視するか。
「失礼するぞ」
俺は音を一切立てないようにして居留守を使おうと思ったが、そんなことお構いなしにクリシアが無神経に部屋に入ってくる。
「起きているではないか! 何で無視するんだ!」
「お前こそこの俺が優雅に寝ようとしている時に邪魔をするとはどういう神経をしてい……」
「それよりも稽古をつけてくれるという話はどうなった!?」
俺の喋りを邪魔され一方的に話される。場を盛り上げる時などはこういう女は好みだが、今みたいに静かに眠りたい時や英気を養う時は大変邪魔だ。
「分かった。特別に明日の朝から一日だけ稽古をつけてやろう。俺もこんなに熱心に頼んでくるものを無下にし続けるのは趣味じゃないからな」
「いや、明日は……明後日じゃダメか?」
「別に構わない。どうせこの国にはあと数日は滞在する予定だ。それまではまた色々騒がしてもらうぞ」
「感謝する。夜分遅くに申し訳なかった」
クリシアが帰ったところで今度は魔法で創り出した木の板で扉を塞ぎ、今度こそ俺は静かな眠りにつくのだった。
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