第19話「泣き入り」
もうこの命を手放して
生きる事を諦めて
ただ過ぎ去る時間を
淡々と消化して
何も生み出さず
何にも触れず
ただ命の最後まで
何事もなく終えようと思うが
世界とは簡単に縁を切れないようで
犯罪的なまでに飼いならされた
その非常で最悪な世界が
何度でも私に孤独を押し当て
涙でさえ、弱いとバカにされ
ならいっそ
こっちから
世界をぶっ壊してやろうと思い
上司を殴ろうとしたが
出来なかった
所詮私は行動よりも結果を想像するから
付けが回ることを恐れていた
そうして一人深い闇に埋もれ
半透明に命が透けて
自分を殺すほか生きれないのだと
そう嘘を覚え
虚勢を張り
ただ少しでも息ができるように
そう、ジレンマの中で画策するが
嘘で得た幸せに
価値はなく
ただ虚しさが込み上げ
もう何もかも見えなくなった
そうして一人
呼吸を忘れるぐらいに
むせて泣いていた。
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