第20話「殺さぬ為」
死が共鳴する
午後0時
どうせ生きても
死んだ扱いを受けてる
弁当は冷たい
買ったコーヒーもまずい
ああ、生きてることで
仕打ちを受けてるようだ
あまりにも雨が曇りが
馴染んでいく
この灰とは
死の灰に似て
名残惜しい
とても心に沁みる
死が美しいなど
ろくな人生を歩んでいない証拠だな
それでも死ねる瞬間は
僕にとって愛しい
間違った考えだと
分かってはいる
だけど生きる上に道がなく
死の途上にこそ道が見えたんだ
だからさよならだ
さよならなんだ
泣くなよ
僕は死を思えるくらいに
生きてきたんだ
だから大丈夫だ
大丈夫なんだ
赤っ恥だらけの
禍根だらけの人生だった
こうして人生の最後まで
誰にも見送られる事無く
ただ孤独死する
それでも僕は選んだんだ
死を選んだんだ
だから悔いはない
ないんだ
でもやっぱり死は怖いな
それでも
選んだんだ
さよならなんだ
こえ以上生きたら
誰かを殺してしまう
だからさよならだ
さよならなんだ。
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