第18話「社会不備」
生と死の歳月に
囚われた
深夜の僕
如何にもな顔をして
神は人様の上に立ち
崇めたとて飯は食えなかった
代替えのように人と関わったが
自身に見合った人かと
選り好みしていたら
その線引きが火種を呼び
関係を結ぶだけでも
途方もない意思疎通に悩んだ
所詮人様が作った社会
脆弱的で
不遇だって当たり前
ろくな世界も描けないから
争いは生じる
そうして逃げ込んだ先にさえ
陰鬱は立ち込め
ただどす黒くなり
殺人が起こる
もう世界に同化するように
淡々と仕事をこなしても
目は死んでいき
脱力感に苛まれ
ただ生きる事が
苦しいものだと
そう考えが凝り固まり
手を抜くことを覚えた
社会という模範的な場所が
ただの豚小屋であると知り
管理され搾取され続けた
不服な点を挙げても
金をもらってるんだから、という理由で
威圧され
人にとっての衛生観念など
無いに等しかった
そうして今日も
泥沼のような現実を浴びせられ
僕は何をしているんだ、と
そう疑問を持つようになり
会社を辞めた
そうして一人になり
何かを守れるかと思ったが
一人になったとて
現実は変わりはしなかった
そうして今日も
ただ、タバコを吸い
金だってないから
安酒を飲み
深い闇の底で
息を潜めて
死なないように
歳月を数えていた。
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