第12話「ふたたび」

この僕の命の"不始末"を

どう付ければいいか

それを迫られた


ろくに役にも立たない僕

分かってはいる

だけど精一杯で

やるだけやってるけど


陰口を叩かれ

新人にさえ

避けられる


そうして一人になって

ただ空を仰ぎ見て

嵐でも来ないかと

会社を休める理由を探していた


それでも残酷に

現実は僕を突き放し

傘を盗まれ

どぶを跳ねられ


ただしょっぱい雨が

涙混じりに

伝った


この先

僕は

どうふるまえば

愛されるかと


そんな空気を読もうとするが

それさえ不作法だと

否定され


だったら何が正しいのかと

自分を見失う


ならいっそ孤独のまま

死を迎えようと

心がひずんだが


死ねなかった


命のつくりとは

感情だけじゃどうにも出来ないのだと

そう分かり


もう救済の余地を失くした僕は

ただこれからも痛みを受けて

生きて行かねばいけない


ああ、つくづく

残酷だ


それでも会社を辞めず

僕はなんとか息をしてる


家に帰れば

ほんの少し開放感がある


そんな小さな欠片を

集めて


やがて大きな何かになるのだろうか

バカげてる

いいやでも


そう夢想できる一瞬が

なんだか心地いいな


そんなもんでいいか

そんなもんで生きてみるか


よしまた

こっぴどく

言われてくるか


うん、なんか。

行けそうだ。

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