第11話「まだ続く」
なぜか
生きても生きても
死んだようだった
僕はいつから
こんなにも仕分け出来ない
感情を抱えてしまったのだろうか
この蓄積する虚無を
蹂躙する外傷を
癒すすべなく
ただ浪浪と
命を食いつぶす
ああ、僕は
一体どこまで行ってしまったのだろう
ここは一体どこだろう
闇よりもまっさらな
空白にいる
停滞した日々
摩耗した毎日
すり減る現実味
命は鳴動の只中
もう僕は死にたい
それでもかろうじで
朝が来て
生きたくもないから
命を放棄するように
安酒を浴びるように飲み
タバコを吸い込む
真っ黒になった肺と
ぐらつく視界が
それでも僕を生に縛り付け
空いた時間が
確かな重圧となって
僕をむしばむ
もうこの際
痛むのは嫌だから
家の中で
好きな事だけして
生きて行こうと思うが
生きる以上お金が必要で
結局、生きるには社会参加前提で
もう嫌になる
ああ、僕は一体
どうすれば報われるかと
どうすれば助かるかと
そう思いは巡り
だが変わることなく
現実は悪意を持って
僕に立ちはだかる
これが人かと
そのありえないほど
残酷な性根を見せられ
なぜ僕が責められ
なぜ努力しても認めてもらえないのか
才能がないとか
そうではない
きっとただ嫌われてるんだ
僕がいけないのか
だけど相談相手もいないから
一人抱える他なくて
いっそ深く傷ついて
死ねればいいと思うが
そこまで単純に命は消せず
今日もまたかろうじで
生きている
でも、それでいいのかもしれない
幸せに入れあげてる訳でもない
ただいつか普通に笑いあえて
一緒にご飯を食べて
そうした当たり前でいい
だからいつか
その未来に
辿り着くまで
僕はただ
生きてみようと思う
なぁ世界
僕はまだ諦めてなんていないよ。
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