第9話「笑えれば」
どうやら
僕には
死がお似合いのようだ
覚めない温度で
殻に籠るけれど
それでも
現実は僕を追いたてる
扉はそうして
固く閉じていき
まばらに散る
処理できない感情に
ただ悲観して
死にたいなんて
夜な夜な思う
この先
数百と年月は続き
その中で
立ち位置を失った
僕が、
これからどう生きれば
いいのか
どう振る舞えばいいか
その手振りを
掴めず
座礁して
乗り上げた
孤島のような此処で
息をして
果たして
生きてると言えるのか
そもそも誰にも会わず
この先生きれたとして
それは間違えた現実ではないのか
本来ある人間味を
全て事欠いて
それでも
時間を潰すように生きて
それが何をもたらし
その逃避が僕を何に仕立てるかと
不意に怖くなる
それでも生きろと
あなたは言うのか
ああ、まったく
身勝手だ
それでも立ち尽くす僕に
あなたは
戸を叩くのなら
どうか連れ出して欲しい
世界は広すぎて
一人じゃ道に迷うから
どうか教えてほしい
この扉の外にある
世界の事を
そしていつか
居場所と呼べる
場所が出来たなら
僕はきっと
初めて笑えるのだと思う。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます