第7話「心のこり」
僕なんて
死ぬまで一人だろう
醜いから
みすぼらしいから
何をしても
煙たがられる
何を成しても
壊される
僕は闇を呼び込む
不吉な存在だと
そう心をえぐられ
"生きるな" と
呼び声がする
もう死んでもいいだろうか
もう孤独を抱いて
求めず、気張らず、無理のない
そんな死を選ぼうか
もう誰も何も言えない
誰も反論しない
そんな死で口封じして
この身をうずめようか
ああ、最後まで
一人だった
最後まで
感動を知れなかった
ただそれでも
死には寄り添えた
死が救いに見えた
だからもうおしまいだ
生きても
僕じゃ世界には見合わない
生きても・・・
生きても・・・・・・・
どうして情が揺れるかな
もう無駄だって知ったろ
たくさん傷ついたろ
なのに心ってもんは
こんなにも正直に
こんなにも僕を生かそうとする
ありえないよ
本当に救いがたい
本当にバカだ・・・
僕なんてもう・・・
思い知ったじゃんか
それなのに
心があふれかえる
なんなの
なんなんだよ
もう最後くらいかっこつけさせてよ
最期くらい意のままにさせてよ
なんで痛いんだ
なんで泣けるんだ
なんでなんで
もう散々だろ
もう求めるものもないだろ
なのにこの喪失感はなんなんだよ
ああ、俺。
やっぱ弱いな
まだ信じてるんだ
まだこの世界に思い残すことがあるんだ
ああ、俺。
やっぱ、馬鹿だ
だけど
このくすぶった気掛かりが
やがて掴めるのなら
生きててよかったと
そう報われるかもしれない
ああ、ほんと、
俺ってやつは、心底、バカだ
でも思い残す事無く死ねるなら
そんな未来があるのなら
生きてみたいと
つくづく
思ってしまった。
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