第6話「私の遺書」

ただ生きる事が…苦しかった


“弱さを認めて 賢く傷ついても”


涙は溢れ

心は荒れていき


すさんだ視界で

捉える光景は

どれも届かないほど

遠くにあり


およそ居場所など

私には無かった


それでも生きようと

死をやり過ごしているが

ただそれさえ もう…崩れそうだ….


そうして生と死の境界が

日々希薄になっていき

もう時期、廃人になるのだと

そう腐っていき


苦をあざ笑い

幸せを踏みつけ

死を讃歌し

制御できない乱心状態で


全てをけなして

全てを睨み

もう自我を捨て

死者になり代わり

どうにでもなれと

捨て駒 覚悟で突っ込み


何が正しいとか

何が綺麗だとか

その全てを問答無用に

振り切り

切り捨て

破き ちぎり


意味や真相を考えるまでもなく

とち狂っていった


そしてその代償に

くだされた

刑務所という監獄で


私が悪いのだと

ののしられ

しりたげられ


死ぬ最後まで

愛されず

思われず


廃棄物同然に

扱われた


それでも今日残した

このがむしゃらな遺書は

私が生きて感じたもの

全てが詰まっているのだと

そう思えて


頑張った、なと

柄にもなく涙が出た。

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