第2話 魔物①




「この体、ムズムズするな」




この間、めでたく(?)異世界転生した。

うん。

この世界で生きていく覚悟が決まった気がする。

人じゃないけど。

おい、困るんだが。

元・人だから、やっぱ人と話したいじゃん?

スキルで『人化』みたいなのないの?



『スキル『人化LV1』はスキルポイント200で獲得できます』



え?

なになに?

怖い怖い。

頭の中に、女の人の機械音声みたいなのが響いてきたんだが?

もっかい聞かせて。



…………………シーン



わん・もあ・ぷりーず!



…………………シーン



だめだ。

てか、何だったんだ、今の。

うーん。

分からないな。

なんか、スキルポイント200でなんとかって、言ってた気がする。





・〜・〜・〜・〜





やっぱ異世界に来たなら、異世界らしいことしたいよなぁ?

ヒロインいないのか?

お、れ、の、ヒ、ロ、イ、ン!

いないか。

そうか。

俺、クズニートだからな。

悔しいぜ。

そんな身の上話は置いといて、魔物を討伐しようじゃないか。

異世界らしく、冒険者じゃないけど。

いいのだ。

龍だしな。

関係ねえ。

人外なんだ。

悲しい。

じゃなくて、魔物を殺すのだ。

龍らしく、冷酷、かつ大胆に。

我ながら、かっこいいじゃないか。





・〜・〜・〜・〜





「敵はおらんのか〜?」


てか、今、思ったけど、ここどこ?

こんな薄暗い洞窟の中で、彷徨う龍。

シュールすぎる。

てか、洞窟なのか?

なんとか大迷宮とか、名前ありそうなぐらい、広いんだけど。

洒落にならんわ。

龍、一匹余裕で通れる洞窟よ?

大迷宮、呼ばわりされるぐらい普通だと思うんだけどな。

まさかさ。

なんか『古龍』の力で魔物寄せつかないとかある?

まさかね。


「ギシャァーーー!!!」


「おっ、第一魔物、発見!」


俺強そうだし、サクッと殺っちゃっていいよね?

いっか。

なんか明らかに雑魚って感じするし。

ダンゴムシみたいなフォルムで、ザ・劣等種って感じ?

弱そう。

一応、鑑定してみる?



――――――――――――――――――


 種族名 アーマーインセクト LV2     名前 なし  


 ステータス

  HP:30/30(緑)

  MP:15/15(青)

  SP:20/20(黄)

  SP:10/10(赤)

 

 平均攻撃能力:7

 平均防御能力:15

 平均魔法能力:2

 平均抵抗能力:9

 平均速度能力:10


 スキル 『毒牙LV2』『装甲LV1』『土魔法LV1』『毒耐性LV1』


 スキルポイント 0


 称号 なし



――――――――――――――――――



弱ぁ。

これ、弱すぎじゃね?

ああ、俺が強いだけか。

てか、コイツ、馬鹿だなぁー。

ステータスに差がありすぎる。

なんで、挑んできたのかな?

いかん、油断は厳禁だ。

まずは、分析。

冷静に行かないとね。

相手は、アーマーインセクトか。

知らん生物やな。

つまり、地球ではないってことか?

VRゲームの中とかだったら分からんが。

こんなにリアルな訳ないな。

話が逸れた。

相手の攻撃手段は『毒牙』で噛み付いてくるって感じ?

龍の鱗にかすり傷ひとつ、つかなそうだけど。

んで『装甲』固める感じね。

分析は完璧だな。

さあ、戦いだ。









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