第4話
青春エネルギーによって何が起きるのか未だわかっていないことが多い。発電にしたっ
て、エネルギー量が核融合よりも多く手軽だから行われているにすぎない。
わたしの意識は星の誕生にも匹敵するエネルギーで消し炭になるはずだった。研究者は全員首を縦に振っただろうし、わたし自身、そうなることを望んでいた。
だけど、わたしは死んじゃいなかった。
光の中で様々な光景を見た。それは、これまでわたしがたどってきた歴史。
走馬灯にしてはあまりにもリアルな映像。
気が付けば、わたしは年端もいかない子どもになっている。朱理ちゃんだって、先ほど見た姿からは想像できないほどに幼かった。
――タイムスリップしている。
だとしたら、これから起きるのは姉妹ケンカ。転んで泣き出した朱理ちゃんからわたしは逃げた。
その後、わたしは誘拐された。
わたしと朱理ちゃんは生き別れてしまうこととなった。
過去の記憶をなぞるように、朱理ちゃんの小さな体が倒れていく。
わたしは、朱理ちゃんの手を掴む。二度と、あのようなことが起きないように。
熱っぽい手を掴んだ途端、未来が変わる。
これまでのことがすべてなかったことになっていく。
ぎゅっと握り締めた手のひらから、七色の光が弾けて消えた。
青春を爆発させよ 藤原くう @erevestakiba
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