第3話  2歳児の妹と3時のおやつをかけた戦い開始!

 この世界は、議論して相手に勝つと何でもいうことをきいてもらえるという絶対的なルール(法律みたいなもの)がある。


 僕(佐藤 学(まなぶ))高校1年生は、血液型A型(論理的な人と一般的には言われている。)は、竹内薫(たけうち かおる)(男性、同級生)にいじめらていて、その仕返しをするために、議論で勝って言う事をきいてもらう必要がある。僕は、最初から竹内と議論で勝負して勝つ自信があまりなかったので、僕の妹(2歳7カ月)のほのかと議論でして勝つのを最初の目標にすることにした。そして、今から議論の内容を具体的に決めて勝負することにしたのだった。


 僕は妹に言った。「ほのか、世の中の人はみんな牛乳やアイスクリームが好きだと思うか?」ほのかはこたえた。「うん、思う。」僕は心の中で思った。「計画通り。ほのかは、まんまと僕の作戦にひかっかった。」

 牛乳とアイスクリームを好きなほのかは必ずこの質問を肯定(こうてい)するのは予想がついていた。少し卑怯(ひきょう)だなと自分でも思ったが勝つためには手段は選べない。それがわずか2歳の妹のほのかであってもかわらない。負ける可能性を限りなく0に近付ける必要があるのだ。本番では負ける事は絶対に許されないから、練習でも全力で勝ちに行く必要があるのだ。


 議論の内容は決まった。「世の中の人はみんな、牛乳やアイスクリームが好きだ。」である。このほのかの主張の間違いを僕が言えば僕の勝ち。ほのかは、この主張が正しいことを証明すれば、ほのかの勝ちである。

 この勝負に勝てば、「今日の3時のおやつのアイスクリームを相手の分も食べても良い。」という事にした。僕にとっては、アイスクリームが食べれても

食べれなくてもどうでも良いが、ほのかは必死だろう。絶対にアイスクリームを食べたいと思っているはずだ。僕は、ほのかに言った。「ほのか。みんなが牛乳やアイスクリームが好きだと思う理由はなんだ?」ほのかはこたえた。「りゆう?ええとお・・・。ほのか、アイスクリーム好き・・・。」ほのかのこたえる内容は、質問する前から予想がついていた。自分がアイスクリームが好きだから、みんなアイスクリームが好きだと思っているのだろう。しかし、そんな事はないのは、わかりきっている。僕は言った。「ほのか。アニメ、魔法少女くるくるの勇者さまが、甘いものが嫌いなのは知ってるな。」「うん。」ほのかは答えた。「きっと、アイスクリームも甘いから嫌いに違いない。」ここの部分は不確定要素だが、勢いでごまかした。アニメではチョコレートが甘いから苦手だと言っていただけだ。「うん・・・」ほのかは肯定した。僕は続けた。「ほのかの友達の大輔くんは牛乳が嫌いなんだよね。」「うん・・。」僕は大きな声で勝ち誇った顔をして言った。「ほら、みんながアイスクリームや牛乳が好きなわけではない。だから、ほのかの主張は間違い。僕の勝ちだ。」ほのかは、あまり内容を理解していなそうな顔をしていたが、僕はこの議論の勝負は僕が勝利したことにした。本当の勝負の時は中立の立場の人に、いてもらって、勝負の判定をしてもらうのが普通なのだが、今回は練習なのと、中立の立場の良い感じの人がいなかったので、判定する人がいない状態で、おこなった。(母親に判定してもらうというてもあったが、うちの母親は、絶対、ほのかの味方をしそうなのでやめた。)


ほのかは言った。「おやつの時間・・。ほのかアイスたべるう。」ほのかはそう言って、冷蔵庫から出されたアイスを笑顔で食べ始めたのだった。2歳児のほのかには議論で勝つとか負けるとか関係ないのだった。ほのかは一瞬で僕の分のアイスまで食べてしまった。「別に良いけど・・」僕はそう思いながら、ほのかが食べ過ぎて、相撲取りみたいな体型にならないか不安になったのだった。既にかなり、ぽっちゃりした体型なのだった。


(続く)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る