第2話 2歳児VS高校1年生 議論で勝負!!

 僕はいじめられている。しかし、この世界は議論で勝負して、相手を論破すれば何でも言う事をきいてもらえる。僕ば力では、到底(とうてい)勝てないような相手にも議論では勝てる可能性があるのだ。力とか今からどうしても相手には勝つことはできそうにない。・・・・。いや、待てよ。筋トレして筋肉ムキムキになれば、もしかしたら力でも勝てるかもしれない。でも、勝っても相手が必ず言う事をきいてくれるというルールはない。いや、そんな事ないか。力で勝てば相手は言う事を聞いてくれるかもしれない。でも、僕は議論で勝つ方が何の根拠もないけど、勝てそうな気がした。本屋で議論の本を見つけたのが、勝てそうな気になった要因のような気もする。本屋で「筋トレをすれば、どんな相手にも勝つことができる」みたいな本があればそれに影響をうけて、力で勝とうという発想になったかもしれない。人間の行動は偶然の連続で決まり、運命とかで、最初から決まっている訳(わけ)ではないのかもしれない。いろいろ考えていたら頭がこんがらがってきたけど、僕は議論に強くなるという選択肢を選んだのだった。そして僕は議論の最初の相手として、自分の妹と議論で勝負することに決めた。ちなみに妹は2歳7カ月だ。2歳くらいから言葉を急にしゃべれるようになった。名前は、ほのかだ。

 

 2歳児なら、さすがに高校生の僕なら勝てるだろうと思った。僕の学校の成績はそこまでひどくない。さすがに2歳児には負けないだろう。僕は、そう思った。いきなり僕をいじめた相手と議論をしても勝てそうな気がしない。まずは腕試しとして、自分の妹と勝負することにした。我ながら大人げないと思うが、まずは議論の方法と勝ち癖をつけることを優先した。2歳児に勝っても自信になるかどうかは、わからない。もしかしたら、勝っても余計、惨めなおもいをするだけかもしれない。


 2歳児のほのかは言った。「牛乳ください。」ほのかは牛乳が大好きだ。僕は牛乳を冷蔵庫からとりだし、ほのかのコップにいれたのだった。「牛乳おいしい」ほのかは牛乳を飲みながら笑顔で言った。ほのかと議論で勝負して、勝ったら何を要求しようかと考えた。ほのかはアイスクリームが大好きだ。僕もアイスは好きなので、「今日の3時のおやつはアイスクリーム。勝った方は相手の分のアイスクリームを食べても良い」という事にした。自分でもくだらない要求だなと思いながら、妹とアイスクリームをかけて議論する事にした。議論の内容は、ほのかの好きな牛乳とかアイスクリームについてが良いだろうか。議論の内容を考えるのも案外、大変だ。僕は妹と何をテーマにして、議論で勝負しようかと話しあうことにしたのだった。


(続く)

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