いじめられっ子だけど論破王に僕はなる!!

かじ(Kazi)

第1話 始まり

 僕の名前は佐藤 学(さとう まなぶ)。高校1年生。身長は160cm。体重は50kg。血液型はA型。A型の人は論理的と言われている。血液型で論理的な人とかそうでないとか言っている時点で論理的ではないと思うけど、そういう研究論文があったらしい。今、その話をしても長くなるので今回はしない。後で時間があればそういう話をするかもしれないし、しないかもしれない。

 さて、この世界にはいろいろな指標(しひょう)で自分と相手の優劣を決めることがある。例えば何だろうか・・。お金持ちだとか力(ちから)とか学校の成績とか運動神経とか・・。高校生の僕にはどういうものがあるかまだあまりよく知らないけど、いろいろあると思う。いろいろあるって言った時点で「思考停止」してるな。もっと考えないと・・。でもまあ、今、言ったような事がわかりやすくて良いだろう。しかし、この世界には今、言ったような事以外で最優先されている絶対的なルール(法律みたいなもの)がある。それは議論して相手に勝つことだ。これをこの世界では「論破する。」と言う。そして、議論に勝った人は負けた相手に対して何でも言う事をきいてもらう事ができるのだ。逆に議論に負けた人は、相手の言う事に絶対に逆らってはいけない。もし、逆(さか)らえば、とんでもなくひどいめにあわされるので、絶対に逆らえないのだ。

 

 これは僕は高校に入学してしばらくしてからの話。僕はいつものように学校に行き、数学のテストの日だったのでテストをうけていた。僕は学校の成績はこの学校の中では平均的で特に良くも悪くもない。僕はテストをいつもの感じでこなし、平均点ちょい上くらいかなと思いながらテストを提出した。そして、次の休憩時間に事件は起きたのだった。休憩時間なので僕が席を離れて、しばらくして、自分の席に戻ろうとすると友達の竹内薫(たけうち かおる)(男性)が僕の席から、僕の知らない紙を取り出し言った。「こいつ、カンニングしてるぞ。」竹内が持っている紙にはテストの問題を解くときに全く使えなさそうな数学の公式とかが書いてあった。円の面積の公式とか台形の面積を求める公式とか・・そういうのが、ぱっとみたかんじ書いてあった。僕はそんな公式、高校1年生の今日の数学のテストに絶対に使わないよなと心の中で思った。そして、そんな紙を自分の机の引き出しにいれた覚えもない。だいたい、そんな公式、紙をみるまでもなく覚えている。僕は「何、言ってるの?」と心の中で思いながら、その光景を何も言わずにみていたのだった。きっと、竹内は僕が学校の成績が竹内にくらべれば良いことが気に入らないから、僕にいちゃもんつけているんだろうなと思った。僕は竹内に、いじめられているのだ。僕は学校に行くことが少し嫌になった。

 昼休みの時間になり、僕は学校の担任の先生に呼び出された。きっと、竹内の事だろう。先生はこう言った。「佐藤。カンニングしたのか?」先生があまりにも間抜け(まぬけ)な事を言ったので僕は自分の耳を疑った。先生は何を言っているのだ。竹内の自作自演に決まっているではないか。この先生は人を見る目が全くないなと失望しながら僕は言葉で言わないと他人とはわかりあえないのかも思い、「そんな事はしていません。」とこたえた。先生は「そうか。そうだよな・・・。竹内がやったんだろうな・・・。ごめん、悪かったな。竹内には先生からきつく言っとくから許してくれ。」と言ってきた。僕もそれほど気にしていなかったので、どうでもいいやと思い、この話はこれで終わった。しかし、僕の心の中は、もやもやしたのだった。やっぱり、竹内としっかり議論した方が良かったのかな。でも、議論する程の事でもないよな。でも、竹内と力と力の勝負で喧嘩しても勝ち目はないから、ちょっとびびって何も言えなかったのも事実だ。僕はもっと自信をもって相手に立ちむかうべきなのかなといろいろ考えながら、いつものように本屋に行ったのだった。本屋に行けばいろんな本があり、学校であった嫌な事とかも少しは忘れられる。僕はいつものように自己啓発の本で何か新しくて面白そうな本はないかなと思い、本をみていた。すると、「議論につよくなる方法」という、今の自分にぴったりの本を見つけたのだった。そこには議論に勝つ方法が書かれていた。この本の通りにすれば議論に勝ち、相手を論破できるようになります。しかし、議論に勝ってその後の事は一切責任をとりません。と書かれていた。僕は最後の文の意味はあまり気にせず、この本を少し立ち読みして、面白そうだったので、少し値段が高かったけど買う事にした。僕は家に帰り、この本を熟読して、この本の成果をためすために自分の妹と議論で勝負することにしたのだった。

(続く)

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