傘
付き合って初めてのデート。
その日は生憎の雨だった。けれども私はそんな事は気にもせず、心を躍らせていた。
待ち合わせ場所で、一人傘をさして待っていた。
傘に弾かれた雨がポツポツと音を立てているのがまるで、私の心が弾んでいるのを表している様で。私は一人でくすりと笑っていた。
が、その笑いも長くは続かなかった。
待ち合わせの時間を過ぎても、先輩は姿を見せない。
私はただの遅刻だと思い、雨の中先輩が来るのを待った。
けど、先輩は来なかった。
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