第2話 黄泉循環列車


1

 

 森の息吹が波立つ教場でそれは深い霧から現れる。淫獣の悲鳴に似た叫び声が徐々に近づき、黄泉列車はあさり達姉妹を幻想へと運ぶ。お姉さん!来たわ!しじみが慄えていた。あさりはデッキに足を踏み入れた、車窓に浮かぶ白い靄に浮かぶ幾つもの影は切なさと懐かしさが入り乱れ冒険の香りがした。


……乗車前の風景をあさりは思う、萬苔教の庭に降りた姉妹は季節風を耳にあてると眼を伏せた…わたし野に咲く花より青空が好きよ、野に咲く花は誰でも摘んで手に取れるけど青空は切り取って飾れない。掴めないし、手に届かない、叶わないものが憧れ……!

15センチに縮んだしじみはリュックの棲家が気に入っていた。いまに応える囁きが遠のく予感、現在を頷くいつもの時間(とき)がまだ其処にはあった。


 飛ぶ空、見つけたどんな空

あなたの心の青い空


 微睡みを避けリュックの枕で空を眺めるとしじみは草原ではしゃいでいる。廃炉街の町並みが鰯雲に浮かぶ…窓から地元の町を眺めて初めて気づいた。駅まで続くクの字の路を毎日通っていた。

今まで確かめもせず苦の字の路を歩いていたのだわ。


 ジャンバースカートのポケットに移動したしじみを連れて歩き始めたあさりはくるぶしに生温い風を受けた…!

 人は死んだら花になるという、愛する人の香りはどの花に移り残るのだろう!

金木犀か百合か沈丁花かすべての花を嗅ぎ分ける事は出来ないわ。



……水遊びを終えた鳥が青虫を咥え羽ばたく。餌を見つけた自慢なのか、或日のしじみの方に首の向きを変える。…良かったね、ご馳走が手に入って、柿の葉の茂みに消え去った後、暫く時が経つと窓に近づきホバリングする、青空に消える前の挨拶なのか!陽射しに眼が眩んだ隙に辺りは黄昏れていた。


 平穏な時は去り忌まわしき陰が脳裏を掠る。


二人の記憶が散らばると集中して繋がるkagero(陽炎)の駅が視えた…


……夕暮れに紛れベランダを渡る陰が走る。女子寮のフェンスを乗り越えて男は排水管を登り消える。便所に忍び込み屋根裏に潜み盗んだ餌の臭いを嗅ぐのだろう!息遣いがしじみの鼓膜を汚す。私のこの聴覚は姿を見て認識してしまう。もし、その男の体毛の一部でも触れれば視える!

体液や血のように濃ければ前世まで視える!

姉のあさりにも違う能力が…!

魂を跳ばす能力、雀に乗り移り空を飛び、蜘蛛に乗り移り床を這う。でも人間に乗り移りには精神ダメージが強い。


男は柔らかな身体を利用し、天井裏の点検口から忍び、這いながら目的地に到着した。歯をむき出しうつ伏せになると局部を柱に擦り付けた。蜘蛛になったしじみは行為を観察していた。この年頃の男はマーキングに興味示すんだな。面白い、彼女の覗き趣味がウズウズしてくる。

飛び散った体液に触手が触れしじみは驚く。若い男と思ったら手や顔は老人であった。化け物と眼が合う危険を察し意識を戻した。人間屠殺場に居たクラゲと遭遇した。


…いま彼は肉林の奇人サーカス団にいるわ!何処からか声が聴こえた。

 

二人の記憶がシンクロする…駅はBukimiを通過した。


…真昼が瞼を温める列車内でしじみが消えた。何処に行ったのか?うたた寝をしていた隙に……?


2


 獅子頭の運転席が前後にある。まさか獣の胴体が列車になっている。ホームから見ると胎内に入る扉が開く。煩く子供が走り回る1号車を抜けると弁当売りの声が響いている。一人ずつ乗客が蓮華駅で乗車してくる。肋の天井から釣る下がる網棚から私は鞄を降ろし脇腹から開いた丸い窓から亡者が林浴する河を眺めていた。

黄泉行きの列車は死者の団体旅行だ。壊れたリスのロボットを抱いた少女が近寄る。

冥土〜三途と鉄橋を渡るのね!

お姉さんも輪廻駅まで行くの?

私もよ!

耳のない顔に囁いた。いいえ、私の降りる駅はないの!

この時間線にはね…!

妹に逢えるまで何駅超えるのか!

しじみを探す時間は続く。

輪郭だけのあの娘は陰に隠される。見つけて色を与えなければ

…!

地中から伸びた巨樹の根がビルを持ち上げ崩れている街並み。

蛇行して進む獣の腹、列車内部は病人や死亡者達が犇めく。

曲芸師が転がるパフォーマンスが娯楽車で催され車輪が天井に下がる。


世界は広かった私の見ていた物以外に幾つも知らない事があった。

一つずつ知るたびに自分の愚かさと狭さに気づいた。でも世界の広さは見れば確認できるけど人の心の奥深さは隠されて視えない。

いいえ…視なければ良かったのよ?!

…早くこの列車から降りなければ……!



 車両毎に乗客が振り分けられる。赤リボンの人は他殺用、青は天災、黄は自殺、病死は黒!リボンの付いていないのは私だけのようだ。

反対側から鯨の機関車が来る。自殺した芸能人が蒸気の彼方から手を振る。首に縄のついた芸人、顔面が潰れた女優、路線を間違えても戻れない。永遠に回る続けるループ路線!

何のための罰だろう…!



 白檀の香りが列車内に漂い座席には骨壷が置かれていた。正六角形の蓋を開けると骨が周りに固まっていた。享年23王刃ギナ!享年19歌々愛胎蔵!右目から欠損した骸骨の車掌がピンクの喪服を着て通り過ぎた。

あさりは車掌に問いかける…この骨壷は誰の?

車掌は無関心に「切符が無いと乗れないよ」と乗車券を確認する。

無いの…車掌はしげしげとあさりを視る!あんた…おんなか女は良いんだ無賃乗車出来るよ…踝から髪迄を舐め回す視線を感じた。

あの、この赤と黒の骨壷は誰の物なの!

錆びた風が室内に吹き抜けると墓場に到着した。墓参りするかい?花畑に幾つかの見覚えある名前を停車中の窓から発見する。

空気が薄くなったので車両を出ると列車が霊安室に成っている。

対の死体が寝かされ身体を切り離されている。今にも動き出そうな10代の男が横たわる。異様に長い局部がグロテスクに映え悪寒が背筋を走る、

何なの!

夢には悪夢があるが愛にも悪愛がある!この現実が襲い掛かる。

良く見ると全裸の女が手術台に載せられ腕が縛られている。

此処では何かが起こっている。

あさりは空中に漂う二つの死体に挟まれていた。足元にぐにゃりとしたものを踏んづける。見なければ良かった。脳味噌に滑る処だった。


列車が急ブレーキをかけるとあさりは前方に弾き飛ばされた。耳鳴りがしたと思い顔を上げると以前居た車両の中に居た。分離した霊柩列車は遥か後方の荒地に脱線してるのが視えた。



3


空がどんよりと曇り淫獣の交尾が始まる。闇神達のパレードよ!この列車の乗客を食べるために集まってきたのね!

そう言いかけ魂を飛ばしたきりしじみは何時間経っても姿をもとに戻さなかった。


 列車は三両編成で連結されていた。何度も往復して座席の隅まで眼を配る、運転席は入れないので呼びかけた、青い影が動く背中しか見えない。犯人探しを始めたあさりは乗客を観察した。獣人凱が体中の腫瘍を爪で潰しながら数えている。なぜズボンを降ろしているのだろう?窓際のボックス席で3人の自殺者が会話している。

死臭がする人形を大切に抱いた痩せ細った子供、腰の曲がった首に縄の跡のある老人、塩酸で爛れた顔の女が千人斬りを自慢していた。

…おじいさん?返してくれない?妹の魂を?!

老人はポケットに入れた右手を執拗に隠していた。

空間を回すと老人の腕を閉じ込め輪郭だけのしじみを見つける。

…ごめんね!色がないと不便ね!

空間からまた何かを掴むとチューブが現れる。捻ると色彩が輪郭に色を付ける。

しじみはポケットに入ると安堵したのか眠った!

あたりを見渡すと元居た車両の後ろの座席?こんな近くに居たなんて!?


4

 

……仙人根の駅に降りた。


 太陽が空を焦がし水平線に沈む此の海の潮は血のように広がっているわ。死体が流れ魚に゙喰われそれを漁師が取り民が食べる循環で生命が維持される、

波の行き止まりにあさりはくるりと指を回す。空間を少し切り取ると穴が出来る。手を入れて異次元の何かを掴み取る。


泥の付いた球根を引き抜いた。此れは確か仙人根!しじみに嗅がせると微笑む。記憶ではセアイの棲家!姉さん、過去に深海魚を掴んだ時は気味悪くて踏み潰してわ!

それからあまり空間に手を入れることは無くなったのに!

そうね…なにかの意思が指に伝わると空間をくるくる回すのよ!

異次元の贈り物!誰かが別の世界から私に与えたがるの!深海魚も潰した時に目玉から宝玉が転がった。

…獣人に霊石が渡ると根魔人が誕生するから!樹木が歩き出すなんて嫌だわ!

姉さん!此の仙人根も焼く以外に使い途が在るのかも!

……姉妹の彷徨いは続いていた。


………風の丘に佇む



 風の丘を進む二人は農夫が皆マスクをしている事に気づく

風邪農家だからね、伝染らないように気をつけましょう!

あさりが指を回すと風が起こり紙鳥を天空に飛翔させる。紙鳥は旋回を繰り返し一周すると星鳥にかわる。星鳥の嘴は螺旋に捩れ鉄をも貫く。屠殺場メンバーの頭蓋骨を割り脳漿を吸い啄む栄養で翼は灼熱の炎鵞鳥の姿を成す。

炎鵞鳥と共に私は、廃炉街で生まれ育った彼奴等を塵に戻す。

お襁褓に包んだご飯を珊瑚村の貝族に食べさせた憎いあいつらを絶滅させるのよ!

そして私は、新たに亡者の力を手に入れる!


………珊瑚の村


…海底の珊瑚の村で育った貝族は毎日、人魚のシェルベットになったり、アクセサリーを造ったりして平穏に暮していた、地上に飽き足らず獣人族が海の資源を狙い侵入し駐屯地とする迄は楽園であった。

純朴な貝族は避難するため海鼠難民と陸に上がり廃炉街に追われた。性被爆民や奇形種と息を潜め暮し迫害された苦難の日々を送っていた。

……もうじき故郷に着くわ

 

     5


 列車に戻ったしじみは眠っているあさりのリュックから顔を覗かせる。

姉さん……きいている…

 ある日、眼の中に妖精が現れたの、まさか眼の中に指を入れて取り出す事もできない。何処に行っても妖精が視え、もう見たくないって願ったの!

消えて頂戴って、でも寝ている時以外は導くように眼の中に現れる。諦めて瞳に住まわす事にして名前をつけた、聖愛(セアイ)って呼ぶと会話が出来るわ!

…彼女は今は出来るのと云うと眼の中に指をいれて妖精を取り出した。此の子がセアイ!指先に輝く虹彩は辺りを飛翔した。

 

………珊瑚の森に到着した


 祠に首のない無数の仏像、珊瑚の森の路をあさりの肩に乗りしじみは導く。手のひらのセアイを瞳に戻す。

視えて来たわ!祠への真実の路が

なまこ壁が続く屋敷通りを蝶を追いかけ誘われると霊幻に辿り着ける。セアイ…、セアイ…!

あなたなの呼びかけるのは…!

そうだったわ!花にはすべて蜜があるとは限らない。毒だってあるわ!潔く櫻もあれば、醜く萎れる躑躅もある。八重は醜くボタンと落ちるサツキも散り際がみっともない。花は散り方を選べない。

仕方無い、主題が必要なの!

名付け様もないもの!それは感情!セアイ…今日も遠い時間が流れたわ!

好きな物も変わった、あれ程愛した人に夢が動かない。何に追われ何に賭けて生きてきたのだろう。胸踊る出来事さえ失せて行く。

飽きてはいけない!捨ててはいけない!愛する事は明日の希望、

知っているでしょう!口に出せない心の言葉!思い出しなさい!

貝族の復興、あなた達の使命を!


………

 土砂降りの雨がやみ泥濘んだ山道を越える。炭鉱の祠には胴地蔵が祀られていた。半分布が掛かり首から下しか見えない。金糸布を捲り上げると眼と鼻が削がれていた。南無延命地蔵菩薩と彫られている。いつの時代に置かれたものなのか!

緑青に爪を立て地蔵菩薩に話しかける。風の音が朝露に濡れた笹の葉を揺らし指先で蝸牛を撫でた時だった、しじみは見られている事に気付き振り返る。誰?虫達との密約を盗み聞きする妖精さんは…!時の秒針が甘美なメロディを奏でる空の果てからしじみの肩にセアイは舞うと耳元に囁いた。うふっ…あなたに逢いたかったわ…!?


……列車は速度をあげ過去の線を遡る。



……貝のアクセサリーを売って生活する姉妹がいた。小さな貝に絵を描いてピアスや指輪にしても街ではアクセサリーは売れず廃炉街アパートの管理人から立ち退きを迫られていた。

家財道具や洋服も処分され部屋を出る日は来た。

私も商売だからね!餞に水筒に水を入れて管理人はあげた。

姉妹は何度も感謝する。荷物は寝袋とリュックひとつ、背中に重たさを乗せて廃炉街を後にした。


真夏の陽射しはきつく注ぎ、異物混入の恐れのある水筒は捨てて、草露で何度も喉の乾きを潤す。

森へ避難中、しじみは困った顔になる、姉さん?また縮んできたわ!

仕方無いわねあの草陰で休みましょう!?

施設までまだ遠いけど頑張ろうね!

姉妹は徒歩で二日歩き国境を越えメビリー地域に入る。

管理人のくれたおにぎりは棄てていた。不潔な色が着いていたからだ。

あのおにぎり腐った臭いがしたね!

管理人さん爪の間真っ黒だったし、縮れた毛が交じっていたから今頃、鳥の餌ね!

いつも浴衣姿だったし、近づくと臭かった。

下駄箱の靴に頬ずりしたり、共同トイレに耳当てたり、炊事場で私達のお鍋使っていた、お箸もコップも、偉ぶる性格で気味悪かった。此の世に呪いなど無いわね!

嫌な人ほど生きているから!


バスを乗り継いで広い処にきたね、青空手が届くね!雲に乗れるかな?

お腹空いたね、しじみ…

しじみは木の実を手の中に広げる。鳥達がくれたの?

姉さんもたべて!

口に含むと少量で満腹を感じた。


療養生活で看護するがしじみの病気は治らなかった。5歳から縮み始め今は12歳で12センチ子猫程の身長しかない。お人形の様なので看護師からは人魚姫のしじみちゃんと可愛がられていた。そんな彼女には秘密があった。

五感のうち触覚だけが、異様に強い。セアイは触れるとその材質のルーツが解る。人なら家族構成、性格生活スタイル大まかな推理。

例えば製品なら職人工場遡り流通、風景が見える。野菜、果実なら農園、家畜なら牧場など、

…しじみは瞳の奥に妖精セアイを住まわせていた。

一方あさりは空間に手をいれて異次元の何かを掴む事が出来た。

病院の階段には絵織物が飾られていた。

森の絵織物に手をあてるとその世界へ飛べる。海辺や草原、何種類もの世界へ彼女達は出掛けた。


山小屋の風呂で焦げた臭いに安らぎ薪風呂の温もりに肩まで浸る。静寂と時たま虫の声、久しぶりの安堵感が辛かった日々を洗い流していく。

 草原の花々の楽園では土壌の性質で酸性、アルカリ性で花の色も変わる。初め赤かった花も今は白くなった。そんな実験も出来た。

 珊瑚の森の絵織物は彼女達の、故郷だった。人間に生まれ変わる前の貝族の生活を懐かしく思い出した。

しじみは泥の中で潜っている。砂混じりの浅瀬は酸素豊富で棲息し易かった。


……それは突然の事だった。しじみを遊戯部屋で揺り籠に乗せうたた寝をしていると窓辺を抜けた鳥に虹彩のセアイを咥えられ拐われる。

見ていたしじみが告げる。あれは守護鳥いつか会えるわ、旅を続ければ……!

姉さん絵織物を巡りましょう!セアイは何処かで私達を待っている!?


 姉妹は山の絵織物に吸い込まれ九十九折の路を登り隈なく探した。此処では無かったみたいね?!草原に戻りましょう!

再び草原絵織物で花摘みをしている。

甘い香りが彼女達を包む。耳を澄ますと誰かが近づく。黒鍵と白建が眼の前に現れる。聞いたことがある。空間に鍵盤を創り奏でる親子の死者がいると!

あなた達!名前は!?

歌々愛姫子!かなで!


あなた達を救けるわ…

何の楽曲が希望……元の世界へ戻してあげるわ…私は森と草原でしか救けられないけど…!

かなでは指を拡げ水平に空間をかき分けると無限の鍵盤を拵えた。

しじみが感嘆すると上下にも同じ様に鍵盤を創る。

大自然のオーケストラが始める。

風を操る壮大なエチュード、地表を掠る風、水面を揺らす風、音とは風の伝導、風と水の流れる音、せせらぎ、濁流、風と樹のさざめき、葉が落ちる音、枝が折れる音、風と空!雷稲妻裂ける音、風と空気振動する音、破裂音!

自然のオーケストラには敵わない、対するものがあるならそれは無音!静寂、漆黒、空間、何かしら!

……次元を飛ばすわ!速く抜けたいでしょう!この絵織物から!でも元の世界に戻ったら、私達の記憶は消えるかも!

私達はメビリー絵織物に対抗する為産み出された死者だから…!


絵織物に迷ったら戻すだけが役目!

首のない少女と並ぶ歌々愛姓の母娘は胎蔵の亡くなった姫子とかなでなのか!

訊ねることも確かめる術もなかった。

かなでがいくら空間に鍵盤を創っても、表現できない。

鍵盤が無いのだから!

ミ゙の#とシの#!?ファもドも♭は黒鍵は無いの。転生は弾けないわ!でも彼等は歌えるのね!?

未表記の音符を!



……黄泉循環列車は永遠に過去と未来を走り続ける。見知らぬ女が開かずの間の扉をあけて語り始めた。



……覚えているあの破滅の日から200年 青の血の闘い、そう獣人達が人間の土地を買い漁り始めた。最初は気づかない程遠くから買い漁り、工場等インフラも整備した。愚かな村人は喜んだ。村の活性化と近隣の街も吸収を期待した。

でも私達教団は基地周辺の土地を買い続けた。海道島を獣人に支配されない為に、でも政府に獣人のスパイがいて、マスコミと結託して情報操作した。事実は隠蔽された、海を隔てた獣人国は支配欲を強め世界を支配し始めた。

その国王がボタンを押して世界は2つに別れ、そして自然災害も重なり獣人国が放ったウイルスで世界は破滅に向かった。

数年後、少しだけ残った高台の島も獣人国に奪われた。

教団は海の祠で祈り続けた…!

届いたのか!救いは突然現れた。

第三勢力、海の祠から深海族が地上に現れた。地上だけでは飽き足らず獣人族が海の資源さえも奪おうとしたため決起したの!


……此れが現在も続く闘いの歴史よ…


 戦争で死んだのは良い人で生き残ったのが悪い人というの。

唐突に何を云うの!何も分からないで、この精神がいかれた女め!眼脂を瘡蓋にして、笑う女の口にあさりは饅頭を無理やり突っ込んだ。


 気がつけば列車の姿はなく宇宙には炎鵞鳥や萬苔蟲の大群が迫っていた。伽藍とした空間にあさりは降りると唾液を飲み突っ立っていた。


………Fin










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闇神性児 第8部 セアイ瞳の棲家 水瓶 @0865hame56

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