第2話
「って、やっぱりふざけんじゃねぇー! こんな手紙で安心できるわけねぇーだろうが!」
手紙をくしゃくしゃに丸め思いっきり地面に投げつけた。
「ふざけた内容で納得できる訳ないだろうがー! 転生ってなんなだよ! 第一に俺は一体どんな死に方をしたんだよ! せめてどんな死に方か手紙に書けってんだよ! せっかく3日間もかけて作ったレポートが水の泡になっちまったじゃないか! くそおおおおおおっ······」
愚痴をこぼし終えるとムクロは、傍に倒れている大木にそのまま座り込み頭を抱えた。
「はぁー、今更この状況が変わるわけがないし、素直に受け入れるか······さて気を取り直して、あの手紙には自分のステータスは見れるって書いてたけど、試して見るか」
立ち上がり、取り敢えずゲームの頃と同じ要領でステータスを思い浮かべて使ってみると、ステータスプレートが現れだした。
名前:ムクロ 種族:
ステータス
HP:6800/6800 SP:12000/12000
STR:630 INT:790
VIT:1170 AGI:870
DEX:680
スキル
〈契約〉Lv10/10
〈召喚術〉Lv10/10
〈召喚の加護〉Lv10/10
〈従魔容量[38/50]〉Lv10/10
〈召喚陣作成〉Lv10/10(スキルブック習得)
〈騎馬召喚術〉Lv10/10(スキルブック習得)
〈騎乗〉Lv10/10(スキルブック習得)
固有スキル
〈神の魔眼〉
「固有スキルが追加されてる以外は
【召喚士】は従魔職の中ではかなりレアな
「種族は
課金種族は有料で五つの種族とは別に違う種族になることができ、ゲームでは数十種類の課金種族が存在した。その中の一つ
そういえばステータス値が人間と若干高いだけで見た目重視の種族だったからよく仲間からは『厨ニ病種族』って言われてよくからかわれていたっけなぁ。
「さてと、他のスキルは後で検証するとして肝心の固有スキルでも見てみるか」
ステータスプレートに載っている固有スキルを調べようとすると〈神の魔眼〉についての説明文が現れ出した。
固有スキル
〈神の魔眼〉
神が持つ全てを見通すことができるスキル。
ステータス、スキル、アイテムなどの情報を詳細に見ることが可能。
「なるほど、生産職の鑑定系スキルの上位版みたいなところか、チートじみたスキルだな」
ムクロはステータスプレートの装備品の欄を探したが見つからなかった。
「ステータスやスキルは見れても装備品の欄だけが見れないな······試しに装備品に〈神の魔眼〉を使ってみるか」
ムクロは装備に〈神の魔眼〉を使用してみた。
【
〈ステータス+300〉〈魔法絶対防御Lv70〉
〈HP・SP自動回復〉
【
〈VIT+400〉〈魔法・物理ダメージ軽減〉
〈深淵の鎖〉
【
〈
【
〈AGI+300〉〈疾風〉
全ての装備は調べてはないもの、概ねゲームの頃と変わらず全てS級以上の装備を身につけている。
ゲームでは装備のレアリティは下から順にE、D、C、B、A、S、SSの七段階に分けられる。中でもレアリティがSSを超えている装備はとびぬけて強力な装備スキルを持ち、時にゲームバランスを崩しかねない装備品が稀に発見される事があった。
「ざっと大まかな装備は問題ない。後はまともに機能するかどうかだな、他に調べていないのはあれだけか──〈アイテムボックス〉」
ムクロは、〈アイテムボックス〉を起動すると空間に黒い穴が作りだされた。
プレイヤー必須システム、〈アイテムボックス〉はスキルではなくゲーム上のシステムであり別空間に、アイテムを保管することができる。プレイヤーのレベルに応じて容量が増え大量にアイテムや装備品を保管することができる。
スキルではないこの世界で使えるかムクロは不安だったが問題なく起動できた。〈アイテムボックス〉の黒い空間の穴に手を入れ、アイテムを探り出した。
「さて何か役に立ちそうなのは?──あっこれは」
ムクロは〈アイテムボックス〉から、赤い宝石が埋め込まれた指輪を取り出した。
「【
A級装備【
ゲーム内の『大商人の護衛』という高難易度クエストを合計5回クリアする事で報酬として手に入れられる装備であり、〈アイテムボックス〉を使わなくてもあらかじめ【
ムクロは右手の革籠手を外して【
「よし試してみるか」
ムクロは呼び出すアイテムを思い浮かべると、光が集まりだし本の形へと形成し始めた。
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